将来的には、自販機限定商品も

同社全体の売上高に占める冷凍食品の割合は5%程度と低いが、それ故にまだ伸びしろがあり、今後はプロモーションが重要になると同社は見ている。その方法は模索中だが、これまでに「家で手軽に作れる」ことを切り口に、料理動画サイト「デリッシュキッチン」とコラボしたレシピを公開するなどの取り組みをしており、今後こちらも併せてPRしていきたい考えだ。

そこに新たな可能性を提示したのが冷凍自販機だった。自販機は接触リスクが少なく、一度設置すれば人件費もかからず、移設も容易でコロナ禍でも安定した売り上げが期待できる。「コロナが収束した後のニーズの変化にもよるが、将来的には自販機限定の商品を開発できれば」と西村部長。

ネット上では「店内に入って冷凍食品だけを買うのは面倒だから、自動販売機はありがたい」「営業時間外に食べたくなったときに便利」という声のほか、「何か食べたいときに、コンビニだとちょっと味気ないから」といった声もあり、専門店直営の自販機という本格感も購入動機につながっているようだ。実際、冷凍技術の進化により、味のクオリティーも上がっている。購入して調理してみたところ、店と同じ味とまではいかないものの、かなり迫っていると感じた。

自動販売機で購入したリンガーハットの冷凍食品。上から時計まわりに「リンガーハットの長崎ちゃんぽん」、「リンガーハットの国産きくらげ塩ちゃんぽん」、「リンガーハットの長崎皿うどん」
「リンガーハットの長崎ちゃんぽん」を調理してみた。鍋に水を入れて沸騰させ、スープと冷凍の具材、冷凍ちゃんぽんを入れて2分ほど煮るだけ。インスタントの袋麺と同じくらいの手間だが、具もたっぷりで店で食べるのに近い味
「リンガーハットの長崎皿うどん」の調理例。これだけの具材が入っている

(文・写真 桑原恵美子)

[日経クロストレンド 2022年2月24日の記事を再構成]

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