
「東京ゲームショウ2021 オンライン」のネット配信は、ゲームメーカー各社が新製品などを紹介する番組が主体だが、業界トレンドやビジネスを展望するセミナーもある。2021年10月1日の番組では世界各国のゲーム編集者が集い、各国で人気の日本製ゲームを挙げ、その理由やトレンドを語った。
米出版社のジフ・デイビスはゲームニュースサイト「IGN」を世界各国/地域で展開している。「IGNグローバルに聞く:世界のゲーマーは日本のゲームをどう見てますか?」と題したセミナーで、各国で活動するIGNの編集者が日本のゲーム市場や自国のトレンドをテーマにビデオで意見を寄せた。
その話を聞き、モデレーターを務めたIGN JAPAN編集長のダニエル・ロブソン氏、ゲストのコーエーテクモゲームス(横浜市)の執行委員でTeam NINJAブランド長の安田文彦氏、Bokeh Game Studio(ボーカ ゲームスタジオ)代表の外山圭一郎氏の3名が、見解や感想を交わした。

本公演でのテーマは4つ。世界各地域から見た「ゲーム市場のトレンド」「日本製ゲームの反応」「最近話題になっている日本の作品」「今後注目する日本の作品」となる。回答を寄せたのは、米国・中国・ドイツ・東南アジア・ブラジルで活動する5人の編集者だ。
中国ではモバイル・オンラインゲームが席巻
1つ目のテーマ「ゲーム市場のトレンド」では、米国やドイツの編集部から「PlayStation 5やXbox Series Xの供給が追いつかないほど盛況だ」と告げられた。米国では『FORTNITE(フォートナイト)』『Destiny(デスティニー)』などのオンライン対戦のシューティングゲームが、大きなトレンドのようだ。いつまでも遊べて、利益も大きいという。
1人で遊ぶタイプのゲームとしては、『GOD OF WAR(ゴッド・オブ・ウォー)』『Marvel's Spider-Man(マーベルズ・スパイダーマン)』などのアクションゲーム、または『ウィッチャー3 ワイルドハント』『サイバーパンク2077』などのオープンワールドアクションRPGが人気だそうだ。
「モバイルとオンラインゲームが市場を席巻している」と語るのは、中国と東南アジアの編集者。東南アジアではMOBA(マルチプレーヤー・オンライン・バトル・アリーナ、敵と味方の陣営に分かれ、相手の陣地を攻めるゲーム)などのモバイルゲームが人気の中心だそう。中国では00年から14年まで、ゲーム機の販売が中止されており、コンソールの市場が成長するのはまだ先のようだ。