仕事を面白くするための6つの実践術

コンサルティングを手がける筆者だけあって事例は豊富に紹介されています。特に、第5章「社員が自律していく組織へ」では、面白法人カヤックや、いち早く社内副業を解禁したサイバーエージェント、KDDIの事例を取り上げ、専門性に富む社員の活用で成功した企業の取り組みについて記しています。

とくに、入社式で社員に「退職届」を読み上げさせるカヤックのイベントは、ほかの企業ではなかなか導入することは難しいでしょう。しかし、同社の企業風土においては、「退職届」を書くことで、社員が「どのような状態になったら会社を『卒業』できるのかを考え、言語化してもらう」(224ページ)という狙いがあるようです。

(1)仕事を再定義するためにインプットを進めること
(2)モデルの仕事観に学ぶこと
(3)「価値実感」を高めるためにアクションを展開すること
(4)「真面目さ」を意識して仕事を生み出すこと
(5)アクションを進めるためのリソースを調達すること
(6)成果を出すことにこだわること
(第3章 自分に合わせて仕事をクラフトする 137~139ページ。(注)編集部で一部再構成した)

テレワーク導入で、一人ひとりの社員に目が届きにくくなった仕事環境で、本書は社員の能力を引き出す管理手法を指南する好著です。

◆編集者のコメント 日本経済新聞出版・渡辺一

「考えを深めるためのコンテンツがたくさん詰め込まれています。社内の施策を検討するにあたって、何度も読み返せる良書です」。面白法人カヤック執行役員で管理本部長の柴田史郎氏より、本質を突く有り難い感想を頂戴しました。まさに本書は、テレワークなど新たな状況下で社員が自律的に働くよう促す具体的な方策と理論的背景を解説した深みのある斬新な一冊です。

社員を「遊ばせる」こと、自由に動ける余裕の確保が成長や自律に不可欠という認識はかねてありました。ところが現在、多くの会社の働く環境は、システムなども活用した管理が徹底し、ますます遊びが失われる方向にあるようです。結果として、自律はおろか、やる気までが阻害されているのです。

もちろん、どんな社員でも放置すれば成長するわけではありません。社員のタイプに応じて上司はタイミング良く対応することが必要です。本書では、自分から仕事に創意工夫を加える「ジョブ・クラフティング」など最新の手法を紹介しつつ、ストーリーを通じて職場での対応を解説。現場で明日から役立つ知見が盛り込まれています。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。

遊ばせる技術 チームの成果をワンランク上げる仕組み

著者 : 神谷 俊
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 1,760 円(税込み)