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人材育成の専門家のクリストフ博士

人材育成の専門家のクリストフ博士

デジタルトランスフォーメーション(DX)時代を迎えるなか、社員にリスキリングを促す企業が増えている。特に英語やプログラミングなどの知識や専門能力、いわゆるハードスキルの学習に熱を入れる社員が目立つ。しかし、英語力があるだけで海外のビジネスパーソンとうまく交渉したり、協業したりできるだろうか。もう一つ大事なのは対話能力やリーダーシップなどのソフトスキルだ。ドイツ出身のグローバル人材育成の専門家クリストフ・グラウ博士に聞いた。

――日本の国際競争力は下がっていますが、何が必要でしょうか。

「日本のビジネスパーソンにはリスキリングが必要です。スイスの国際経営開発研究所(IMD)によると、2022年の日本の世界競争力ランキングでは63カ国中で34位にとどまっています。中国や韓国、タイにも遅れている。私は今年45歳になりますが、子供の頃はドイツでも現在のパナソニックや東芝など日本の家電であふれていた。しかし、今は違います。日本人は過去の成功体験から脱却しなくてはいけないでしょう」

TOEIC高得点でも交渉はできず

――国際化に対応するため、TOEICで高得点を取得しようと英語を学び直す日本人が増えています。しかし、実際に海外のビジネスパーソンと交渉できないと悩む人は多い。どうすればいいのでしょうか。

「それは日本人のリスキリングが知識や資格の取得などハードスキルに偏っているためです。実際に日本企業の研修予算の約75%はハードスキルに投資されていると考えられています。リスキリングにはハードスキルとソフトスキルの両面があるわけですが、ソフトスキルを身につけようという意識が低い。ここが日本人のリスキリングの盲点となっています」

「これからは語学やプログラミングなどのハードスキルはAI(人工知能)が代替してくれるわけです。例えばDXとは変革のマネジメントです。多様な人々を説得して、行動変容を促し、動かさないといけない。もともと英語力と英語によるコミュニケーション能力とは別物です。学問としての英語ではなく、英語を使って相手と対話して動かすソフトスキルが求められています」

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