ビジネススタイルに「ニューノーマル」や「オン・オフのシームレス化」という概念が定着した今、もう一度しっかり考えておきたいのが「ラクにする」の捉え方。一つ間違えて「ラク=ゆるくてOK」と解釈しては、仕事での印象が台無しになりかねない。常に心に留めておきたいのは、「ラクに、かつきちんと見せる」ということだ。本特集では、これからのビジネスカジュアルできちんと好感度を保つための新しい服たちを、簡単に覚えられるルールとともにご紹介する。
イージーパンツに、あなたは何を求める?
“ラクな仕事服”の代表格であるイージーパンツ。目下あらゆるブランドが提案しているといっても過言ではない状況だが、市場も成熟期を迎えた今、それらもかなり多様化している。闇雲に手を出さず、しっかり特徴を理解したうえで選ぶのがこれからの正解といえるだろう。イージーパンツに何を一番求めるか。それによって、最適解も変わってくるのだ。
New Rule 14 イージーパンツ 汎用性重視なら2WAY型
ウエストのシャーリング(ゴム)とともにベルトループも備わり、普通のドレスパンツ的にもイージーパンツとしても使える2WAY型。そのメリットはやはり優れた汎用性にある。ニットをタックアウトしてウエストが見えないときはベルトなしで快適に、シャツインのときはベルトを用いてクラシックにと、大抵の装いに対応できる。イージーパンツの万能選手として一本持っておいて損はない。
■GERMANO(ジェルマーノ)
ウオッシャブル&イージーアイロンで機能性も抜群の一本
王道ドレスシルエットの「スリム」を、ウール54%+ポリエステル45%+ポリウレタン1%のハイブリッド素材で仕立てた一本。イージーアイロンかつウオッシャブルという高機能も光る。ドローコードは引き抜いて内側にしまうこともでき、ベルト着用時は見えない設計に。3万4100円(バインド ピーアール)
New Rule 15 イージーパンツ はき心地重視なら360度シャーリング
ウエストがすべてシャーリングになったタイプのものは、素材やシルエットもリラックス感の高いものが多い。タイドアップスタイルには向かないが、ニットやポロシャツにはよく合う。いうまでもなく、はき心地は快適そのもの。リモートワークにもぴったりで、もちろん休日の装いに活用してもいい。ビジネスシーンで使うなら、インナーの裾はタックアウトしてシャーリングを隠すのが基本。
■CELLAR DOOR(セラー ドアー)
適度にゆとりのあるシルエットもくつろぎ感大
定番シリーズの「アルフレッド」。素材はポリエステル63%+ビスコース32%+ポリエステル5%で、柔らかなドレープが特徴的だ。シルエットはゆったりめで、窮屈感は皆無。ドローコードは内側に引き抜いて隠すことも可能なので、コーディネートによって使い分けたい。2万5300円(アントリム)
New Rule 16 イージーパンツ 品格重視ならベルトレス
快適さも捨てがたいけれどあくまでクラシックに装いたい。そんな方におすすめしたいのがサイドの一部のみをシャーリングにしたタイプだ。こちらはベルトレスのデザインになっているのも特徴で、ドレスシャツをタックインした装いもエレガントに決まるのがいい。ジャケットを羽織ってサイドのシャーリングを隠せば完璧だ。商談などシリアスな場面にもしっかり対応できる。
■INCOTEX(インコテックス)
フロントからの顔つきはドレスパンツそのもの
1プリーツのテーパードフィット「88」。最小限のシャーリングに加え、ドローコードは内側に隠されているため、正面からのルックスは完全にドレスパンツだ。素材もクラシックなウール100%。ベルトレスだが紐(ひも)でウエストを調節できるので、ジャストフィットではけるのも魅力。4万8400円(コロネット)