社外取締役、監査役、顧問・アドバイザーに若手副業者を登用

上場企業ではコーポレートガバナンスコードの改訂により、独立社外取締役の選任規定が、2018年に2人以上となり、2021年にはプライム市場に上場する企業について取締役会における比率が3分の1以上に引き上げられました。今や上場企業およびそれに準ずる規模やステージの企業では、社外取締役を置くことは必須のものとなっています。

この社外取締役や監査役について、従来は大手企業の役員出身者や有識者を招くことが多かったのですが(言葉を選ばずにいえば、IR<投資家向け広報>上の見栄え、ブランド感、ステータス重視の選任)、変化が生まれつつあります。スキルマトリックスの導入などにも背中を押される格好で、実際にどのような側面の力や経験、専門性を持つ人なのかがチェックされるようになり始めました。

企業が顧問・アドバイザーを求めるケースも、ここへ来て非常に多くなっています。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進など、既存の社員ではその知見・専門性や経験を保有していないプロジェクトについて、専門性を持つ外部人材にサポートしてもらうためです。

もともとは独立自営業者やフリーランサーに依頼する市場でしたが、ここのところ広がっている副業・複業解禁の流れの中で、現職者への依頼も増え始めました。ニュースになったところではヤフーでの副業人材100人採用やサイボウズでの募集、また神戸市や静岡県、愛媛県、渋谷区など各地の行政が副業人材を募集し話題になりました。この副業活用は今後も裾野を広げ、さらに増えていくでしょう。

こうした動きとダイバーシティー(多様性)重視の流れもあり、社外取締役や監査役、顧問・アドバイザーについても経験や世代のバラエティーをどんどん広げていく流れにあります。若手世代の情報力や感性、テクノロジーなどの技術知見を、自社の経営に貸してほしいというニーズは継続的に拡大していくでしょう。

こうした機会をつかんでいくには、日ごろから自らの「特化科目」を明らかにして、まずは一点突破的な専門性を磨き込んでいくことに尽きます。周囲の人たちよりも、頭一つだけでよいので、突出した得意科目を持つことが、副業・複業解禁時代でチャンスをつかむ武器となります。

これまでのように組織ピラミッドの階段を一つひとつ上ることだけが、経営職への道ではなくなっています。あなたがこれまでリーダーとして職務にしっかり向き合ってきた経営職希望者であれば、このタイミングで非連続ジャンプを狙うことは悪くない選択といえるでしょう。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
井上和幸
 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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