人材ニーズが急増している、2つの職種

求人が特に急増したのが、コンサルティングファームのコンサルタント、クラウド経由でソフトウエアを提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業のカスタマーサクセスの募集です。いずれもコロナ禍をきっかけに企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進など、「ビジネスを取り巻く環境」が大きく変化したことが増加の背景にあります。この2つの職種について説明します。

(1)コンサルティングファームのコンサルタント職

主にDX推進を急ぐ企業からのニーズ拡大が要因となっています。中でも従来の商習慣が残る企業では、オンラインを軸にした既存事業の見直しや新規事業の立ち上げ、業務のデジタル化などの対応が急務。しかし、社内にそれらをこなせる人材がいないので、コンサルティングを求める声が拡大基調にあります。

某コンサルティングファームでは「企業・事業全体のコンサルティングを請け負う」という従来のサービスだけでなく、「改善したい事業の一部分からコンサルティングを請け負う」など、小回りの利く新たなサービスを開始しています。プロジェクトの上流部分である戦略・立案から運用まで幅広いフェーズで人材が必要なことから、経験者採用と合わせて若手人材の採用・育成が活発化しています。

(2)SaaS企業のカスタマーサクセス職

コロナ禍をきっかけに、リモートワークの普及や業務のデジタルシフトに伴って、様々な領域におけるSaaSプロダクトサブスクリプション(定額課金)型のサービスのニーズが高まっています。その事業成功の鍵を握るのがカスタマーサクセスです。

カスタマーサクセスは「新しい形の営業職」として注目されています。ただ、外回りや電話で新たな顧客を獲得する従来の営業職とは異なります。主な役割は、すでにサービスを利用している顧客と長期的な関係を築くこと。サブスクリプション型サービスでは、いかにチャーン(解約)を防ぐかが重要です。それだけに、率先して顧客と接点を持ち、ニーズに即したサービスの提案や活用促進などを通して、顧客満足度を高めるカスタマーサクセスの活躍が不可欠です。

人材採用においても、ITの知見だけでなく、顧客視点で能動的なアプローチができる「コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力」が重視されています。また、サブスクリプション型サービス市場の活況はもとより、リモートワークに適している点も求人増加の追い風と言えるでしょう。

このほかにも、コロナ禍による事業環境の変化に対応するために、新しい感性で組織の変革やサービス改善、新事業・サービスの立ち上げなどを担っていくような人材のポテンシャル採用を強化する動きが増えています。従来のやり方では事業の発展が困難な時代だからこそ、過去の経験や成功体験に固執せず、柔軟に世の中の変化に適用する若手人材の活躍に期待を寄せています。

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