文章以外が8割 ベテランが語るライター仕事のすべて青山ブックセンター本店

ランキング上位を並べたビジネス書コーナーのメインの平台に展示する(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。緊急事態宣言が解除されて1月半あまりたつが、週末は人出の回復感がある一方、平日の戻りは鈍いという状況は解除直後から大きな変化はみられない。ビジネス書の売り上げも伸びきれない日が続く。そんな中、書店員が注目するのは、ベテランライターが書く仕事をしたい人に向けて自身のノウハウを余すところなく語った一冊だった。

必要な準備からどれくらい稼げるかまで

その本は佐藤友美『書く仕事がしたい』(CCCメディアハウス)。佐藤氏はテレビ制作会社からフリーランスのライターに転じ、ビジネス書などの書籍ライターとして50冊以上の本を執筆するなど、書く場所を広げ続けているキャリア21年のベテランライター。そのベテランライターが書く以上に書く以外のことを伝えたいとして執筆したのが本書だ。帯には「書いて生きるには、文章力“以外”の技術が8割」の言葉が踊る。

それゆえ「この本は、文章術の本ではありません」というただし書きから本書は始まる。そこから始まってライターとはどんな仕事でどんな生活をしているのか、さらにはどれくらい稼げるのか、そして必要な準備は、と「ライターとして生きていく」具体的なあれこれを披露する。書くために必要な技術、マインド、仕事の広げ方まで、自身の人生をたどり直すように様々なポイントについて言及していく。

著者によれば、ライターとは「依頼を受け、取材をもとに原稿を作り、納品する仕事」だという。依頼・取材・原稿・納品――この4点セットがそろっていて、書く主題が自分の外部にあるのが特徴だ。そこが小説家や脚本家など作家と呼ばれる仕事との違いになる。「自分の主張を書くのではなく、誰かの言葉を、よりわかりやすく翻訳して伝える仕事」とも言え、「対象に興味を持ち、面白がれる能力」が一番大事な素養だという。だからこそ、「ライターに必要なのは、才能ではなく技術」と言い切る。

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