企画とは決めること ヒットメーカーが語る仕事の本質リブロ汐留シオサイト店

メインの平台の面陳列棚に展示する(リブロ汐留シオサイト店)
メインの平台の面陳列棚に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測に戻る。訪れたのはリブロ汐留シオサイト店だ。夏休み期間ということもあるのか、親子連れの客も見かけるなど、人の流れはそこそこ戻りつつある印象だという。それでもビジネス書の動きはあまり活発になってこない。そんな中、書店員が注目するのは、数々のヒットコンテンツをつくってきたテレビ局出身のコンテンツプロデューサーが企画について改めて考えを整理した本だった。

著者は「逃走中」の企画者

その本は高瀬敦也『企画』(クロスメディア・パブリッシング)。飾り気のないそのものずばりのタイトルだが、表紙や扉には〈「いい企画」なんて存在しない〉と刺激的な言葉が副題として書かれている。著者の高瀬氏はコンテンツプロデューサー。フジテレビ在職中は、限られたエリアで芸能人らがハンターから逃げるゲームバラエティー「逃走中」や相手が選んだ数字を当てる推理ゲーム番組「Numer0n(ヌメロン)」を企画するなどヒット番組づくりに関わり、今は独立して様々なコンテンツのプロデュースやコンサルタントを手がける。コンテンツとは何か、そのつくり方や広げ方についての考えを整理した前著『コンテンツのつくり方』(2018年刊)もベストセラーになった。

いわば企画のプロ中のプロが企画について考えた本だ。それなのに、ページを開くと企画についての通り一遍の考え方を小気味よく覆してくれる。最初に語られるのは「企画」についての認識が、企画について悩んでいる人と違うということ。企画に悩んでいる人は「いい企画を思いつくこと」が企画だと考えているが、著者は企画とは「決めること」だと思っているという。

決めることが価値を持つ

だから「先天的なセンス」も「神がかったひらめき」も必要ない。「今日のランチも、明日の飲み会も、来月の旅行も、あらゆるものが企画になり得ます」と語る。「『決めた』ことに対して、だれかのリアクションが生まれた時点で、それは『企画』と呼べるのです」という。「決めることが価値を持つ」。ここが企画の根幹だ。

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