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新たなスキルを身につけて自分らしい働き方を再発見した人から、リスキリングのヒントを聞く連載「my リスキリングストーリー」。今回は、星野リゾートのサービススタッフから創業間もないITベンチャーに転身した山里鈴香さん(30)です。

1914年の創業以来、国内外に数々の人気施設を運営する星野リゾートから、創業4年・社員数わずか20人のスタートアップへ。山里さんがキャリアチェンジに踏み切ったのは、コロナ禍がきっかけだった。

大学卒業後、星野リゾートに入社。学生時代は探検部に所属し、全国津々浦々を回った。環境科学専攻から観光業界に飛び込んだのは、さまざまな土地で暮らし、日本の魅力を伝えたいと考えたからだ。

1年間の職場内訓練(OJT)を経て、大分県にある「界 阿蘇」に配属された。フロントや清掃などの客室業務から調理まで幅広い業務を担当。酪農が盛んな阿蘇で、味わいや香りを比べるミルクテイスティングを企画するなど、充実した毎日を過ごしていた。

コロナ禍が始まったのは入社5年目。東京五輪を控え、星のや東京に異動してしばらくのことだった。日に日に陽性者が増える中、消毒液や手袋の確保も思うようにならない。不安と混乱の中、宿泊客の応対に力を尽くしたが、2020年4月には緊急事態宣言が発令され、海外観光客どころか国内からの観光客も途絶えた。従業員は一時帰休となり、その間は副業も解禁された。単発アルバイトで引っ越しを手伝ったこともある。

営業だけはやらないと思っていた

先の見えないまま数カ月が過ぎた。具体的に転職を考えていたわけではなかったが、勤務は不規則で夜勤も多い。この先も仕事を続けられるのだろうか。30代を前に自問するようになった。仲の良い同期がスタートアップ企業のMagic Moment(マジック・モーメント、東京・港)に転職したのは、そんな時のことだった。営業支援のSaaSツールを開発・販売する会社だという。「きっと向いているから、一緒にやろうよ」。そう声をかけられたが、最初は一笑に伏した。

「自分には絶対、営業はできないと思っていました。模造紙に契約数を張り出されて、ノルマを達成しないと帰れない。そんな前時代的なイメージがありました」

しかし同期もあきらめなかった。これまで培った接客経験は営業に活かせると力説し、絶対に向いていると熱弁を振るった。

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