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東大時代に起業した深沢さん

東大時代に起業した深沢さん

美容品の口コミサイト「LIPS(リップス)」を運営するAppBrew(アップブリュー、東京・文京)社長の深沢雄太さん(27)。開成高校から東京大学に進学したが、休学して同社を起業。新型コロナウイルス禍で化粧品業界が苦悩する中、東大を中退してコスメ事業の拡大に奔走。同サイトのダウンロード数は800万件を突破した。注目の若手起業家の素顔に迫った。

「人と関わるのは苦手。今もコミュニケーション能力は高くない」と深沢さんは話す。出身校の開成中学・高校は運動会を中心に盛り上がる「体育会系進学校」。しかも華やかなコスメ業界といえば、社交的なイケイケ起業家のイメージだが、自身は全く違うタイプだという。

中2から高2まで成績は下位

埼玉県の飯能市の出身。友人は少なく、小学校にはなじめず、大半の時間は図書館にこもっていた。この調子では地元公立中に進学しても孤立すると心配した両親が進学塾を勧めた。気の合う仲間ができたのは塾に通い始めてから。開成には片道2時間かけて通った。物理部に入部し、ロボット製作やプログラミングにはまった。開成でも「授業になじめなかった。中2から高2まで成績は下位だった」という。オタクではないが、誰かに教えられるよりも、自分で考え、調べる探求型学習の得意な生徒だったのだろう。

開成の同級生には民放クイズ番組「東大王」で活躍した起業家の伊沢拓司さんがいる。「彼も当時は派手なイメージはなかったが、コミュニケーション能力は高かった」と振り返る。開成では仲間に恵まれ、運動会や文化祭でも活躍した。

成績が低迷するなか、「このままじゃまずい」と一念発起した深沢さんは高3から猛烈に勉強を始め、2013年に東大理科1類に現役合格した。ただ、大学の講義もつまらなかった。「何の印象もない。体育の授業で捻挫したことを覚えているくらい」と笑う。入学して半年もたたないうちに講義に出なくなり、休学を考えた。

実家を飛び出し、何をやろうかと模索した。大学の仲間と社団法人「東大無料塾」を発足。伝統的な教育とは一線を画したオルタナティブ(代替)教育をやり、無料で子供たちとプログラミングなどをやる共創型教育を提供したかった。しかし、実際に来たのは東大生に受験勉強を手伝ってほしいという高校生ばかりで、半年後に閉鎖した。

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