舞台のキャストがそのまま実写映画に

橋本 そして、そんななかでの実写映画化も純粋にうれしかったです。しかも舞台版のキャスト陣をそのまま使ってくださって。17年から始まって今までに積み上げてきた皆さんの“文スト”愛がこの映画の中に凝縮されたらいいなっていう思いで挑ませていただきました。

鳥越 映画はアクションが舞台とは全く違いましたね。舞台ではやっぱり大きくかつ迫力あるように見せるのが重要なんですけど、映像は数センチの(動きを見せる)レベルで調整が必要な世界だったので。舞台とは違う殺陣が演じられて面白かったです。

橋本 面白かったですよね~。あと(米『パワー・レンジャー』シリーズや日本の特撮作品監督で知られる)坂本浩一監督の撮り方が、とにかくすごくて。アクションシーンのアフレコをするために完成した映像を見せてもらったとき、感動しました。

鳥越 そのアフレコが終わった瞬間、祥平から僕宛てにメールが来て。「長文でこんなこと言うのもアレかもしんないすけど、言わせてください。やっべぇぞ!」って。

橋本 あははははっ!

鳥越 普段はあんまり連絡なんてしない人間なんですよ。そんな人がなんかもう、ずっとしつこいぐらいにメールを送ってくるから。「興奮してんねやな」とは思いつつも「うるさい」って返しましたね(笑)。

「今までに積み上げてきた皆さんの“文スト”愛がこの映画の中に凝縮されたらいいなって」(橋本) 「映画はアクションが舞台とは全く違いました。舞台とは違う殺陣が面白かったです」(鳥越)(写真:藤本和史)

2.5次元舞台からの映像化では、2019年に公開された『映画刀剣乱舞』がヒット。今作について2人は、どういう目標を立てているのか。

鳥越 2.5次元舞台の映画化となると何か1個フィルターが掛かるかもしれないですけど、普通に映画として楽しめます。アクションシーンも盛りだくさんだし、脚本がいいですし。なおかつ、この作品は「もしも芥川と敦の立場が逆になっていたら」というifのお話なので、映画を見終わった後に本来の世界線に戻っていただいても楽しめるというか。この『文豪ストレイドッグス』プロジェクトは、本当にいろいろな面から楽しむことができるんです。その1つめの手がかりとしてこの映画を見ていただけたらうれしいなと。

橋本 そうですよね。原作(小説・マンガ『文豪ストレイドッグス BEAST』)を読まれている方も十分楽しめると思うんですけど、『BEAST』を知らない『文豪ストレイドッグス』ファンの方にも、ぜひ見てほしいですね。それくらい予備知識がなくても楽しめる作品だと思います。あと「このキャラクターと、このキャラクターの立場が逆転していたら、どうなるんだろう」という妄想は、僕もよくするのですが、それが今回は見事にかなっている作品なんです。知っているけれど全く違う“文スト”の作品を、ぜひ見てほしいです。

(写真:藤本和史)
はしもと・しょうへい 1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。22年は舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation』『フルーツバスケット』、ミュージカル『薄桜鬼 真改』、劇団『ドラマティカ』ACT2などが控える。

とりごえ・ゆうき 1991年3月31日生まれ、大阪府出身。ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『いとしの儚』、ドラマ・舞台『あいつが上手で下手が僕で』、音楽ユニットWINWINのメンバーとして活動するなど幅広く活躍している。
映画「文豪ストレイドッグス BEAST」
実在の文豪の名を懐くキャラクターたちによる“異能”アクションバトル。貧民街で生きる孤児の芥川龍之介(橋本祥平)は、ならず者たちの襲撃によって仲間の命を奪われ、実の妹・銀(紺野彩夏)も連れ去されてしまう。妹を捜す芥川は、その後、異能者たちが集まる武装探偵社に入社し……。原作は原作者・朝霧カフカが描いた小説『文豪ストレイドッグス BEAST』。

(ライター 松木智恵、日経エンタテインメント! 平島綾子)