生き方・働き方の指針ならLIFE SHIFT2』

紀伊国屋大手町ビル店の加藤よしこさんのおすすめは『LIFE SHIFT2』と『ビジネス・エコノミクス 第2版』

これからの変化を考え行動のヒントにするという視点は、紀伊国屋書店大手町ビル店店長の加藤よしこさんが選んでくれたアンドリュー・スコット、リンダ・グラットン『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2)』(池村千秋訳、東洋経済新報社)にも共通する。2016年に刊行され、人生100年時代の生き方を提示してベストセラーになった『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の続編で、「人生100年時代の行動戦略」を副題にうたい、これからの生き方のヒントを多様に提示する。

加藤さんが選んだもう1冊は伊藤元重『ビジネス・エコノミクス 第2版』(日本経済新聞出版)。こちらは経済学の視点でビジネスを見つめ直す教養書だ。「なぜユニクロとニトリは流行るのか」「サントリーはなぜ、セサミンをネットで販売したのか」……こんな身近なビジネスの事例を市場メカニズムや需要曲線といった経済学の手法を使って分析することで、より血の通った経済学の知識を身に付けられる。「どちらもこの秋に店頭に並んでから以降、息長く読者の反応があった本。年末年始に読むなら考えを深める本をおすすめしたい」と加藤さんは話す。いずれも同書店を訪れたときに本連載で紹介したので、そちらの記事も参考にしてほしい(参考記事:『ライフ・シフト』に続編 人生100年時代の行動説くセサミンはなぜネットで売る? 経済学でビジネス解明)

お金や経済、身近な言葉で自分で考える

三省堂書店有楽町店の岡崎史子さんのおすすめは『お金のむこうに人がいる』と『NFTの教科書』

三省堂書店有楽町店の岡崎史子さんが選んでくれたのは、田内学『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)と天羽健介・増田雅史編著『NFTの教科書』(朝日新聞出版)。いずれもこの連載で大きく取り上げる機会がなかった本だが、じわじわと売れ続けているという。

『お金のむこうに人がいる』は「予備知識のいらない新経済入門」をうたう。著者は元ゴールドマン・サックス証券の金利トレーダーで、「16年間そういう仕事をしながら、経済や政府の借金など『お金』のことをとことん考えてきた」と語る。自分の頭で考えるとき「専門用語は必要なかった」といい、「なぜ、紙幣をコピーしてはいけないのか?」に始まり、10の問いをもとにお金とは何か、経済はなんのためにあるのか、社会全体の問題と経済の関係を考えていく。「お金や経済のことが本当にわかりやすく頭に入ってくる本。状況に惑わされずに本質的な問題解決を考える助けになる」とは岡崎さんの推薦の弁だ。

もう一方の『NFTの教科書』はタイトルの通り、非代替性トークン(NFT)に関する総合的なテキストブックだ。NFTはアートやゲーム、ファンビジネスなどさまざまな分野で大きな成長が期待できる技術。各分野に精通する専門家が多数執筆に参加、分野ごとのビジネスの現状から、法律、会計など制度面に至るまで網羅的に基本と現状、さらにこの先の展望が見てとれる。「これからのビジネスの大きなテーマ。押さえておいた方がいい」と岡崎さんは話す。

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