2021/12/1

共通ポイントを寄付に使えるサイトも

ふるさと納税は、ポイントをためたり寄付に活用したりということも可能だ。日ごろから決済やネット通販でポイントを軸にした「楽天経済圏」をよく利用しているなら、「楽天ふるさと納税」(https://event.rakuten.co.jp/furusato/)がオススメだ。寄付することで楽天ポイントをためられる。「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」のタイミングを狙って寄付をすれば、ふるさと納税でもポイントアップの恩恵にあずかれる。たまったポイントを利用して寄付をすることもできる。

同様に、「ANAのふるさと納税」(https://furusato.ana.co.jp/)ではANAマイレージクラブのマイルが、「セゾンのふるさと納税」(https://furusato.saisoncard.co.jp/)ではセゾンカードの永久不滅ポイントがためられる。前者のANAの場合、共通ポイントである「Tポイント」を使って寄付することも可能だ。共通ポイントに注目するなら、「au PAYふるさと納税」(https://furusato.wowma.jp/)ではPonta(ポンタ)ポイントを寄付に使える。

様々なケースがあるが、過度なポイント還元をうたった集客を巡っては、返礼品を寄付額の3割以下に制限するふるさと納税の趣旨に合わないとの指摘もある。そこで専門サイトを運営する約20社が2021年11月、共同で「ふるさと納税協会」を立ち上げた。同協会は利用者へのポイント還元などを規制するガイドライン(指針)の策定を急ぐ。こうした背景から22年以降は、ポイントの魅力が薄れる可能性もあることを忘れないようにしよう。

会社員に便利な「ワンストップ特例」 

次に、ふるさと納税をする際の手続き関連について、みていこう。このシリーズで何度か強調してきたように、ふるさと納税は、寄付をして返礼品をもらえばそれで終わり、ではない。「節税効果」もあるのが大きなポイントだ。利用するのであれば、そうした制度の利点をあますところなく活用したい。

それには、寄付先の自治体から届く「寄付金受領証明書」か、ふるさとチョイス、ふるなび、さとふる、楽天ふるさと納税など14の特定事業者が発行する「寄付金控除に関する証明書」が必要だ。後者は、サイトからダウンロードすれば入手できる。これらのいずれかを寄付した翌年、確定申告書と一緒に管轄の税務署に提出して初めて、所得税の還付と住民税の控除を受けられる。

ただし、①年収2000万円以下でそもそも確定申告をする必要のない会社員(給与所得者)で、②1年を通じた寄付先の自治体が5つ以内――という2つの条件を満たす人には、確定申告をせずに済む「抜け道」が用意されている。それが「寄付金税額控除に係る申告特例」、通称「ワンストップ特例」だ。

この特例を利用する際は、確定申告の代わりに、ふるさと納税で寄付した自治体に翌年の1月10日までに「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する必要がある。申請書は寄付先の自治体から取り寄せてもいいし、総務省のサイト(https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/mynumber_tax_zeimokubetu.html)やふるさと納税専門サイトからダウンロードすることもできる。

なお、この申請書の提出で1つ、注意点がある。仮にあなたが、ある自治体に1年間に何度か寄付をしたとしよう。この場合も、寄付先は「1つ」とカウントされる。ただ、ワンストップ特例を使う場合は、寄付した都度、申請書を提出する必要がある。A市に5回寄付した、という場合は、翌年1月10日までに5枚分の申請書をA市に出す必要があるわけだ。

もう1つの注意点が、ワンストップ特例の申請書を期日までに送付済みでも、無効になってしまう場合があることだ。どういうケースか説明しよう。

上でも述べたように本来、年収が2000万円以下の会社員は確定申告が不要だ。ただし、人によっては医療費控除や住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除=初年度は確定申告が必要で、会社員は次年度以降、年末調整で対応できる)、あるいは投資した株式やFX(外国為替証拠金)取引の損益通算や繰り越し控除があるなどの理由から、確定申告をする場合がある。この場合、申告によってワンストップ特例が無効になってしまうことがあるのだ。だから、他の理由で確定申告を行う場合は、ふるさと納税の分も合わせて申告することを忘れないようにしたい。

寄付が限度額を超えた場合、お得なのは

「(年収などで決まる)限度額の範囲内であれば、2000円の自己負担で欲しい返礼品がもらい放題」というふるさと納税。このメリットを最大限に享受するためには、その年の12月(会社員は12月に源泉徴収票を受け取る)に年収が確定してから、限度額ギリギリまでの寄付をするのが常道だ。しかし、ビギナーの場合、ギリギリのラインを狙い過ぎて限度額をオーバーしてしまうこともあるだろう。そのときは、ワンストップ特例が使える条件を満たす会社員でも、確定申告することをオススメする。

以下に理由を説明しよう。

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