
圧巻!50種以上のフライや串カツがぎっしり
2店目は斜め向かいの「PARIYA DELICATESSEN(パリヤ デリカテッセン)」へ。00年の開業時からあり、毎週入れ替わるデリメニューが女性に強く支持されている。筆者も大好きな店だ。
週替わりのメイン(5種)・サラダ(5種)・サイド(副菜、4種)と、ご飯(白米・玄米・週替わりのご飯)からそれぞれ1種選び、オリジナルの弁当を作れる。どのメニューも安定しておいしいが、組み合わせによって野菜中心でカロリー控えめにも、逆に揚げものやポテト類を多めにしてがっつり食べたい人向けにも、どちらにも調整できるのが心憎い。
「もうレシピは数百ではきかないほど増えましたが、お客さまが飽きないよう工夫しながらも、人気メニューは繰り返しお出ししています。うちは会社勤めの方のご利用が圧倒的に多いですね。リニューアル前にあったジェラートはスペースの都合上取りやめ、ほかの店舗で大好評だったケーキの取り扱いを始めたのでぜひご利用ください」(運営会社のマッシュライフラボの伊東茂洋さん)

さらにデリゾーンの中央へと進んでいこう。目を引くのが「あげもの専門店 SAKUMARU(さくまる)」だ。コロッケにトンカツ、串カツなど揚げ物がぎっしり、オブジェのように並ぶ姿は壮観。全国の有名百貨店で総菜を販売する宮崎食品(大阪市)が立ち上げた新ブランドで、50種以上のフライや串カツを販売する。
揚げ物はテークアウトするとしんなりして、おいしさの半分はあきらめないといけない気がするが、同店のものは時間が経ってもさくっとして味わい深い。この秘密は衣か、油か……。
「詳しくは企業秘密ですが、油は複数のメーカーから厳選し、味が良い生パン粉を使って、売り場の裏のキッチンで毎日揚げています。ただ、揚げたてをすぐに食べないので、食材によって揚げ時間も微妙に変えるなど、あらゆる要素でこだわっています。『ここのコロッケやトンカツは胸焼けがしない』と購入してくださるリピーターさまが男女共に多いです」(店長の上田豊樹さん)
ちなみによりカリット感を復活させたいなら、アルミホイルにのせてトースターで1~2分焼くか、油なしのフライパンで少し転がして火を通せばOKとのこと。

次はJR渋谷駅よりの「千駄木腰塚(せんだぎこしづか)」へ。文京区から台東区にまたがる谷中・根津・千駄木周辺の谷根千(やねせん)エリア発の肉の専門店だ。コンビーフやハム、ローストビーフなどの肉系つまみが多数並ぶ。筆者はグルメな主婦の友人にここのコンビーフを教えてもらい、ハマった。一般的なハムやベーコンよりお高めだが、どれも肉のうま味が凝縮して、濃厚なのに素朴で食べ飽きない。なぜこんな味が出せるのだろう?
「千駄木の本店は1949年創業で、当時社内にいたがんこ職人考案の作り方を70年間変えずにご提供しているからでしょうか。コンビーフやハムは、それぞれどの産地の豚肉を使うと最もおいしくなるという値があり、余分な味付けはしない秘伝のレシピでお作りしています」(専務の羽生絹子さん)
客は男女問わず、年齢層も幅広いという。切ってすぐ食べられる商品が多く、緊急事態宣言中は晩酌のお供にまとめ買いする客が多かったそうだ。