
ダイエットや体づくりがテーマ「筋肉食堂」の新ブランドも
いろいろ買い込み、そろそろ帰ろうとフードショーを出て改札に向かうと……。以前はなかった、外の通路にも店が開いている! パステルカラーと独特の店名が目立つ「野菜と果物とたんぱく」に立ち寄ってみた。
ここはダイエットや体づくりに励む男性客に人気の飲食チェーン「筋肉食堂」の運営会社、TANPAC(東京・渋谷)がマーケティング事業を展開するトレンダーズ(東京・渋谷)と共同で手掛ける新ブランドで、サラダや野菜やフルーツたっぷりの『たんぱくスムージー(680円)』やエンドウ豆のタンパク質を配合したパスタなど、いかにも女性好みの商品が並ぶ。しかし店長の神山ちえみさんいわく、男性客の利用が非常に多いそうだ。
「渋谷の街のイメージから、開業前は働く女性のお客さまを多く見込んでいたのですが、2~3割は30代からシニアまでの男性で我々も驚いています。平日にいつもスムージーを買っていかれるヘビーユーザーの40代男性もいます」
男性客に一番人気の弁当『皮なし鶏もも肉のケイジャングリル(880円)』を買って帰った。辛いチキングリルに卵白の卵焼きが入っている。後で食べて、大変失礼ながら想像以上においしくびっくり! 「栄養と味」という、一見相反するキーワードを両立させたのがすごい。通路側でさっと立ち寄れる便利さもあり、確かに男性客に受けそうだ。

東急フードショーの事業主体である東急百貨店の広報担当者によれば、今回のリニューアルテーマは「渋谷ローカライズ」。“世界初出店”といった希少性よりも、東急沿線の人気店など渋谷になじみのある店を選んで、渋谷駅の利用客や近隣の住民、オフィスワーカーが日常使いできるような親しみやすい売り場を目指したそうだ。
今回はこの5店のみだったが、デリゾーンだけで54店舗も営業し、隣のスイーツゾーンと生鮮・グロサリーゾーン(計50店)にも、まだまだ見どころがたくさんあった。
緊急事態宣言中の外食制限や自粛に疲れてしまった今、足を運んでこの令和の商店街の活気を体験し、元気を取り戻してみてはいかがだろうか。
(フードライター 浅野陽子)