相続に直結、ネット銀行・保険で確実に資産を渡す方法デジタル遺品管理術(4)

日経PC21

故人が残したデジタル機器やデータを「デジタル遺品」と呼ぶことがあります。デジタル機器を使っていれば、ファイルだけでなく操作履歴やクラウドサービスの契約など、多くのデジタルデータが残っています。ある日突然やってくる「別れ」に備えておかないと、周囲の人に迷惑をかけたり、大事なものを渡すことができなかったり、見られたくないデータを見られたりするかもしれません。そんな事態に陥らないように今から備えておきましょう。5回にわたって徹底解説します。

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銀行なら通帳、保険なら証券があればわかりやすいが、ネット銀行やネット保険では証書がないことも多い。取引があることを紙面に残さないと、無駄になってしまう(図1)。相続手続きが完了後に発覚すれば、脱税を疑われることもある。

相場や仮想通貨などに投資している場合、相場の動きによっては追加の支払いを要求されることもあり得るので、すぐに取引を中止するよう書き残すべきだ。万一、遺産より追加支払額が多い場合は、相続を知ったときから3カ月以内なら相続放棄ができるので、確認は急いだほうがよい。

図1 預貯金など相続に絡む遺産は書面で明確に残さないと、気付かれなかったり、気付いても後の祭りということもある

預け先や投資先がわかれば、遺族が連絡することで取引を即座に中止できる(図2)。念のため、取引先のウェブサイトで相続手続きを確認しておくと安心だ(図3)。預金口座が凍結された場合、遺産分割協議の前であっても一定金額は引き出せるよう法改正されたので、すぐ手続きしても問題ない。

図2 オンラインの銀行や証券会社の多くは、このような手順で相続手続きを行う。死亡の連絡と同時に口座の取引は制限され、実質的に口座凍結となる。ただし、預貯金の場合、一定額の引き出しは可能
図3 GMOクリック証券では遺族が電話で連絡することで口座の取引が制限される。ただし、証券の相場は動いているため、口座解約までの期間に損得が発生することがある