鉄板の上が七変化、撮影せずにはいられない!

一品料理などがたくさん付く「CHAGO SET MENU」のチャドルバギ。写真は2人前

続いては今年2月にオープンしたばかり、JR御徒町駅から数分の韓国居酒屋「chago(チャゴ)」(東京・台東)だ。すぐに目に入るのが韓国語で書かれた店名。ピンク色のネオンなので目立つ。店内にもカラフルなネオンが壁に設置され、こちらも撮影スポット満載の店だ。BGMは世界的にも有名なあの韓国男性グループのヒット曲。まるで韓国に来たかのような感覚を覚える。

メニューは「CHAGO SET MENU」(1人前2980円・2時間制)のみ。メインの鉄板焼きを、サムギョプサル(豚)、チャドルバギ(牛)、チュクミポックム(タコ)の3種から選ぶ。これに3種から選べる前菜1品と、3種から選べる一品料理が1つ付く。さらにナムル、キムチ、包み生野菜が食べ放題で、シメのご飯(または麺)までセットとなっていて、ボリューム満点かつ、リーズナブル。今回は30~40代の女性グループでの訪問だ。

さっそく一番人気のチャドルバギを注文。チャドルバギは韓国で牛のスライス肉のこと。現地ではこれを普通に焼いて食すが、同店では独自の食べ方で楽しませる。直径30センチ以上はあろうか、かなり大ぶりな鉄板が卓上コンロに設置され、その中央にはシメジやトウミョウなどがこんもりと山盛りとなっている。その周りにはチャドルバギ(同店ではが上州牛のトモサンカクを使用)が美しく並べられて提供されるのだ。

「肉から焼いていきますね」と手際よくトングを動かすのは店長の山田さん。あっという間に肉の両面が焼かれ、数枚ずつ客の小皿に取り分けられ、ゴマ油と塩で味わうようにアドバイスしてくれる。肉は驚くほど軟らかく、うま味が濃厚で、出だしからテンションが上がる。残りの肉はいったん別の皿に移し、次は鍋の中央に置いてあったシメジなどを炒めてくれた。ジュージューという音とともに香ばしい香りが広がり、あっという間に円形の野菜炒めが鉄板の上に誕生した。

「先ほどのお肉をこの野菜の上に乗せてきますね」と山田さん。野菜と肉を一緒に炒めると肉が硬くなってしまうので、先に肉だけを焼き、別に炒めた野菜の上に後から肉をのせるのだという。そして野菜の輪の中央部分に溶き卵が投入された。想定外な光景に「おおっ!」と歓声が上がる。シャッターチャンスを逃さないようにと、必死な自分たちが何だか笑える。卵は木ベラでかき混ぜたかと思ったら、蓋をしてしばらく蒸し焼きにした。

円形の野菜の中で、卵の蒸し焼きを作ってくれる

待つこと数分。その間に周りの肉と野菜を味わって待つのだが、焼いたキムチのなんとも香ばしいこと。ほお張りながらも、次の撮影アングルを探りながら各自がスタンバイする。蓋を取る瞬間は、もちろん動画撮影だ。

いざ、蓋が開くと、予想以上の湯気とふわふわな卵焼きがお目見え。これは撮影しがいがある。熱々の卵焼きや肉を、エゴマやレタスで包んで、コチュジャンを付けて味わうと、もう止まらない。今度は皆、黙々と食べることに集中だ。最後のシメのご飯(または麺)まで全部、店のスタッフが焼いてくれるのもうれしいところだ。肉もたっぷりなのだが、それ以上に野菜も種類豊富なので、おなかいっぱいでもヘルシーだった。

山田さんはこう説明する。「飲食店でご飯を食べるというより、体験しに行くというのが今の時代は大事。SNSを通して口コミで店の魅力を広げてもらうために、面白い動画が撮れるメニューや店内に工夫しました」。ちなみに選べるおつまみの中の1つ、「りんごのポテサラ」は、ピンクと白のリンゴ型のモナカがポテトサラダに乗せてあり、とてもかわいらしい。9割は女性客で、20代、30代の女性に特に人気と聞いて納得した。

左は「りんごのポテサラ」などの選べるおつまみ。右は選べる一品3種。
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居酒屋が韓流グルメ取り入れて姉妹店舗ブランドを開発