100円台のつまみ充実「晩杯屋」 ロマネコンティも?

中高年からシニアまでのおじさんたち中心に幅広く愛されている立ち飲みチェーン「晩杯屋(ばんぱいや)」

ツボを押さえたシンプルなつまみとお会計の安さで、中高年からシニアまでのおじさんたち中心に幅広く愛されている立ち飲みチェーンがある。首都圏で展開する酒場、「晩杯屋」だ。

店名の前に「立呑(の)み」か「大衆酒場」が付く2つに分かれているが、「立呑み」とうたっていても、一部はテーブル席で座って飲める店もある。「大衆酒場」の方は着席スタイルが基本で、立ち飲みスペースはほぼない。前身は2015年、東京・大森にできた「座って呑める 晩杯屋」だが、17年にオープンした秋葉原店からは「大衆酒場」とし、同年に下北沢、上野にも出店。大森店も「座って呑める」を改め、現在39店舗中7店舗が「大衆酒場」を掲げている。

筆者は着席派であることもあり、座って飲める「晩杯屋」は大歓迎。「晩杯屋」は立ち飲みのイメージが強いので、座って飲める店がこんなに増えていたのを、すっかり見落としていた。遅ればせながら「ファンデス上野店」を訪れてみた。

JR上野駅、中央改札口を出てすぐ左の「浅草口」を確認したら、あとは徒歩で1分ほど。階段を下り、駅に沿って左に進めば目指すビルが右手に見える。建物が少しセットバック(後退)しているのと、店が5階にあるため、おなじみの看板や店構えを想像していると、通り過ぎてしまいそうだ。「晩杯屋」の中ではかなり見つけにくい店舗かもしれない。

上野の店は5Fにある。大きな窓から空が見え開放感がある

エレベーターで5Fへ。休日の15時、5組ほどのカップルとグループ客、カウンターには1人客が同じく5、6人、のんびりと昼酒を楽しんでいた。広々としているので、ソーシャルディスタンスは万全だが、経営的にはたいへんだろう。大衆酒場といえば、メニュー札が壁じゅうに貼り巡らされている印象があるが、ここにはそれがない。自然光の入る大きな窓が酒場というよりも海の家っぽい雰囲気で開放感がある。

席につくと、おしぼり(70円)と一緒にタブレットが渡された。「トマト割り」や「緑茶割り」が290円と安くて魅力的なのだが、まずは生ビール(440円)をオーダー。ちなみに「晩杯屋」に瓶ビールはない(ノンアルコールビールを除く)。つまみに「なすしょうが」(150円)と「イカゲソ唐揚げ」(180円)を選び、赤い送信ボタンを押す。オープンキッチンのほうで「ピンポーン」と受信の合図音が鳴った。オーダー完了だ。

タブレットで注文するスタイルをとっているのは39店舗中、現在、3店舗のみ
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「晩杯屋」の定番「ロマネコンティ」って?