飲み方の自由度が高いハーブ酒

ジンやリキュールなど、幅広いラインアップを支えているのは、「薬用養命酒」で練り上げた製法だ。複数のハーブを同時に酒へ漬け込んで、成分や味わいを引き出す「合醸法」は秘伝の製法。高麗人参の香味を抑える技術は特許を取得している。

単一のハーブを用いたリキュールは他社商品でも珍しくない。しかし、「15種類ものハーブを漬け込むには、特殊なノウハウが必要。『薬用養命酒』仕込みの製法が差別化ポイントになっている。養命酒ブランドへの信頼感も支持が広がった理由」(加藤氏)という。

養命酒製造のマーケティング部コミュニケーションマーケティンググループの鳥山敦志グループリーダー

「自分たちの健康に関する、消費者の考え方は様変わりしつつある」と、鳥山氏はみる。バブル期の1989年には栄養ドリンクのキャッチフレーズだった「24時間戦えますか」が流行語になった。半面、ワーカホリックや過労死が社会問題化し、自らをいたわる健康観が支持を広げていった。99年の新語・流行語大賞では「癒し」が候補語に入った。

ハーブ酒は酒なので、アルコールの働きを借りて、気持ちをなごませる存在だ。気持ちを高ぶらせる効果を期待するエナジードリンクとは、性格が正反対ともいえるだろう。「夕食中や寝る前といった形で、生活の時間帯になじみやすい」(加藤氏)という点も、穏やかな暮らしを求めるニーズと合致したようだ。

香りを押し出しているのは、ハーブ酒ならではの強みを生かす売り方だ。だから、50度の湯を注いで、1対1の比率で割るお湯割りをすすめている。そのほかにも風呂上がりには炭酸割りや、日本酒で半々に割る飲み方も紹介。「薬用養命酒に比べて、自由な楽しみ方が選べる」(加藤氏)ところを魅力に据えた。

ハーブ酒はほかの飲み物と混ぜて味わいやすい

「薬用養命酒」は2カ月は飲み続けることを勧めているが、ハーブ酒は飲み方がずっと自由だ。「これまで薬酒を飲んだことがなかった層との接点が広がる」と、鳥山氏は期待する。「夜のやすらぎ ハーブの恵み」では700ミリリットル入りに加え、200ミリリットル入りも用意している。

フルーツとハーブの相性を引き出したのは「フルーツとハーブのお酒」シリーズだ。「香る白桃と杏仁」「ピンクグレープフルーツとジンジャー」「ザクロ&ラズベリーとローズヒップ」をラインアップ。飲み方も紅茶や牛乳、ビールなどとのミックスを提案。「女性が気軽に味わえるシチュエーションを意識した」(加藤氏)という。

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