日経クロステック

部内事情を理解してもらう

最後は、部内事情に関する雑談です。

新人は恐ろしいほど失敗を恐れています。人事部門や新人研修の講師がいくら「失敗を恐れず挑戦しなさい」と言っても、失敗は誰にとってもイヤなものです。

中でも恐れるのが人間関係の失敗です。自分だけで完結できませんし、自分がどんなふうに思われているか気になるからです。

先輩や上司によって価値観が異なるため、怒るポイントが違うというのも厄介です。社会人をある程度経験していれば何となく察することができても、新人には難しいでしょう。何をしたら叱られるのかが分からず、気持ちが休まりません。

そこで、部署のメンバーの役割やそれぞれが仕事でどんなことを大切にしているか、何に注意すべきかを教えてあげるとよいでしょう。ただ、他のメンバーの悪口や、プライバシーに関する噂などは控えましょう。

ここまで3つの雑談ネタを紹介しましたが、これといって話すことがないときには黙ってニコニコしているのもよいでしょう。簡単そうですが、実は高等テクニックです。必要なときにいつでも新人が話しかけられるように、常ににこやかにしていなくてはなりません。表情がつかみにくいマスク越しでも笑顔だと分かるようにするには、練習が必要だと思います。

新人を甘やかすなという意見もありますが、せめて社会人生活の最初はできるだけ波風を立てず、スムーズにスタートするに越したことはありません。そのためにも、笑顔を心がけて雑談を採り入れながら、人間関係をつくってみてください。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。

[日経 xTECH 2022年4月14日付の記事を再構成]