パナソニックの「OL監督」 PDCA回す映画人に

映画監督の安田さん 「幸福(しあわせ)のスイッチ」 (c)2006「幸福のスイッチ」製作委員会 「TUNAガール」  (c)吉本興業/NTTぷらら

「幸福(しあわせ)のスイッチ」「TUNAガール」などの作品を手掛けた映画監督・脚本家の安田真奈さん(52)。関西の名門校、奈良高校から神戸大学、松下電器産業(現在のパナソニック)を経て独立した異色の映画人だ。「OL監督」と呼ばれた安田さんは、会社員時代のノウハウを活用して映画づくりにまい進している。ビジネス界から映画界に転じた女性監督の軌跡を追った。

小芝風花、上野樹里――。安田作品からスター女優次々

「マグロなんて、もう嫌や!」。2018年に安田さんが撮影した女優の小芝風花さんが演じた「TUNAガール」。舞台は「クロマグロの完全養殖」で知られる近畿大学の水産研究所。小芝さん演じる女子大生は、数々の失敗を重ねながら、仲間に見守られ、成長してゆく。教養あり、笑いありの青春ドラマ。ひかりTVにて配信中で、ネットフリックス世界配信は9月27日までだ。

「私の映画で主演をされた女優さんはその後、ブレイクするという都市伝説があるのです」と安田さんは笑いながら話す。確かに小芝さん以外にも上野樹里さんや堀田真由さんも安田作品の出演後にスターダムにのし上がった。06年に劇場デビュー作品となった「幸福のスイッチ」の主演を務めた上野樹里さんは、その直後のテレビドラマ「のだめカンタービレ」でトップ女優の仲間入りを果たした。

新人女性監督の劇場デビュー作品にもかかわらず、「シナリオが気に入った」と歌手の沢田研二さんが出演したことでも話題になった。

「派手なエンターテインメントの世界は自分には向いていないかも……」という安田さん。地元の一流大から一流企業へ。「関西エリート」の道を歩んだキャリアウーマンはなぜ映画人となったのだろう。

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奈良高、神戸大で自主映画に奔走