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桜蔭中学・高校(東京・文京)

桜蔭中学・高校(東京・文京)

東京大学の最難関科類といわれる理科3類(医学部医学科に進学するコース)。2022年の合格者数でトップに立ったのは桜蔭高校。これまで灘高校や筑波大学付属駒場高校、開成高校の男子校ビッグスリーがトップを競ったが、初めて女子校が首位になった。女性ドクター時代の象徴的な出来事かもしれない。

桜蔭から理3に13人、天才タイプではない

「天才タイプの子はあまりいないのでは。コツコツ努力の桜蔭ですから。まあ、負けん気の強い子が多いですが、見た目は至って普通ですね」。桜蔭出身の東大医学部医学科の女子学生は笑いながらこう話す。

東大の合格者数は毎年3千人あまりだが、理3の募集人員は97人の狭き門。全国トップクラスの成績優秀層が競う。天才肌で個性的な学生も少なくない。19年のミス東大グランプリにも輝いた上田彩瑛さんは、「趣味はダンスとお笑い」と話し、本をペラペラめくるだけで暗記してしまうと語っていた。

上田さんの出身校は、関西の女子御三家の進学校、四天王寺高校。しかし、同校から理3に現役合格したのは上田さん1人だけ。理3の女子学生は2割に満たないが、入学して上田さんが「すごいわ」と驚いたのが桜蔭という女子校の存在感だった。

22年の桜蔭の東大合格者数は全国6位で77人。うち理3の合格者数は13人で、現役生は実に12人。20年は7人、21年は8人とジワジワと合格者数を伸ばし、ついに2ケタ台に乗せた。ライバル校は灘高が10人、筑駒が6人、開成が6人。男子3強を抑えて、全国トップの実績を上げたわけだ。桜蔭の齊藤由紀子校長は「いや、理3が増えたのはたまたまでしょう。桜蔭の場合は3人に1人は医学部志望。特別なことをしたわけではなく、コロナ禍でも各人が目標を設定して、しっかり頑張った成果が出ただけでしょうね」と話す。

齊藤校長は冷静に語るが、受験界では「桜蔭は灘や筑駒に並んだ。いや、超えた」と話題になっている。東大医学部出身の50代の医師は「僕らの学年には桜蔭出身はいなかったのでは。そもそも理3にはほとんど女子はいなかった」と振り返る。なぜ桜蔭はこれほど理3合格者を伸ばし、「日本最強の進学校」と呼ばれる灘高を上回ったのか。

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