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リスキリングによって、新しいスキルを学んだとする。次のステップは、そのスキルを使う職場へ異動・転職することだ。しかし、そこには高いハードルがある。まず、実績がないと採用してくれる企業は限定的である。学んだスキルをビジネスの現場で使った経験がなければ、どこまで通用するのか不安もある。異動・転職した後に、自分には向かない職種だと感じることもあるかもしれない。

それなら、異動・転職に至る前に、本業を続けながら新しいスキルを使ってみるのはどうだろう。副業・兼業という形で、スキルを試す機会を持つのだ。退路を断たなくてよいので不安は軽減されるし、向き不向きも判断できるだろう。そして、リモートワークの普及や働き方改革が進む中、副業人材を受け入れる企業や自治体は増えており、可能性は広がっている。

本書『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』は、「本業も含めた複数の居場所で、複数の目的を達成するために行う仕事」を「複業」と定義し、その選び方や始め方、注意点などを総合的に紹介している。副業に興味のある人には、気づいていなかった視点や示唆を与えてくれるだろう。

著者の大林尚朝氏は、複業先を探す個人と複業人材を採用したい企業や自治体をウェブ上でマッチングするプラットフォーム「複業クラウド」を運営するAnother works(東京・港)代表取締役を務める。

キャリア報酬や感情報酬もある

何を始めるにも、目的を定めることは重要だ。複業を始める際にも、初めにやるべきなのは「目的の設定」だという。なぜ複業をしたいのか、何のために複業をするのかを考える。本業以外の「副収入」を目的とする人は多いだろう。しかし、複業から得られる報酬は「金銭報酬」だけではなく、「非金銭報酬」もあると著者はいう。

非金銭報酬は、「スキル報酬」「キャリア報酬」「感情報酬」などに分けられる。「スキル報酬」を目的とする場合、本業では身に付けられないスキルを身に付けることを目指す。スキルには賞味期限があり、世間から高い需要のあるスキルは次々と変化する。したがって、今後、市場の需要が高まりそうなスキルを複業で身に付けるのだ。

その際、再現性のある汎用的な経験・スキルを身に付けるべきだとする。例えば、大手企業で1億円の予算をもってマーケティングしている人は、ベンチャー企業で限られた予算のマーケティングをするとなれば、少し異なるスキルを求められる。複業によって、企業フェーズや業界を超えたスキルを得ることで、再現性や汎用性を身に付け、自分の市場価値を高めるのだ。

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