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写真はイメージ(PIXTA)

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英語コーチングスクール『TORAIZ(トライズ)』主宰、三木雄信です。この連載は、主に経営や人事に関わっている方に向けて、効果的な英語研修のあり方について解説しています。さて、前回まで「なぜ日本人が英語を話せるようにならないのか?」や「企業内での英語研修をどのように組み立てていけば良いのか?」について、解説してきました。連載の最終回になる今回は、英語教育に成功していると言われているフィンランドの英語教育について俯瞰(ふかん)的に見ていきたいと思います。

世界的な教育機関のEF Education First(イー・エフ・エデュケーション・ファースト)が開発したEF EPIという英語の能力を示す指標があります。

フィンランドはこの指標で英語能力で全世界で8位で、「非常に高い」カテゴリーにランキングされています。しかし、フィンランドは歴史的にもシンガポール(2位)、フィリピン(22位)、マレーシア(24位)、香港(31位)のようにイギリスやアメリカ合衆国などの英語圏の植民地であったこともなく、フィンランド語は、言語的にも英語やドイツ語のようなインド・ヨーロッパ語族でもないウラル語族です。

つまり、フィンランド人にとっての英語学習は、言語的には日本人にとってと同じような困難さがあると思われます。にもかかわらずEF EPIランキングでフィンランドが8位に位置づけられていることに着目すべきだと思います。では、そのように優れた結果を出しているフィンランドの英語教育と日本の英語教育を比べてみましょう。その違いを理解することは企業での英語研修にも活用できると思われます。

EF EPIは、前年に実施された英語能力テストの結果データに基づき、英語能力を経年的に計測、追跡する世界規模のベンチマークとして開発された指数です。2022年、日本は前年よりもランクを下げ112か国・地域中80位。世界的に見れば英語力は「低い」と分類される結果です。アジアでは、シンガポール(2位)、フィリピン(22位)、マレーシア(24位)、香港(31位)、韓国は(36位)、中国(62位)と残念ながら多くの国に日本は後じんを拝してしまっています。

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