日経クロステック

多くの場合、「もうこの職場とはサヨナラしよう」と思う瞬間は突然やってきました(写真はイメージ)=PIXTA

筆者は若いときから、ボーイスカウトやボランティア活動を通じて障害を持つ人たちのお手伝いをする機会が多くありました。そうした経験から無意識のうちに、障害に対する無神経な発言を許し難く思う気持ちが強くなっていたのだと思います。筆者自身も色弱であり、職業選択で苦労した経験が影響しているかもしれません。

この言葉をきっかけに、筆者はその会社を辞めました。その後何度かの転職を経て起業した今でも、あの発言は自分が受け入れられないものとして記憶に残っています。こうした発言や考え方をする人とは仕事をしないようにしています。

そのほか筆者が受け入れ難いものに、派閥や肩書、収入などを前面に出す人・組織があります。これは、仕事を請け負うかどうかの判断に役立っています。

「自分が受け入れられないものは何か」を考える

会社を辞めようかどうしようかと悩んでいる人がいたら、あえて「働くうえで自分が受け入れられないものは何か」を考えてみるのも一つの方法です。職場の環境や人、仕事内容などから、自分の中で「嫌い」「やりにくい」と感じるものを思い浮かべると、自分の受け入れられない価値観が見えてくると思います。

それが見えてくると、受け入れられない人や環境から守りたい大切なものが何かに気づきやすくなります。そこから自分の特性やキャリア観を発見できる可能性があります。

自分が受け入れられない環境にいるときこそ、深い自己分析をしやすいともいえます。今の会社にどうしても受け入れられないものはあるか、大切に守りたいものは何か。試しに考えてみてはいかがでしょうか。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。

[日経 xTECH 2022年6月9日付の記事を再構成]