「リスキリング」、先が見えないからこそ理論武装を

日経クロステック

キャリアアップや人間関係構築、給与などの待遇面、転職や起業――。技術者の多くは、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えています。人事コンサルタントとして様々な企業の職場活性化を支援する天笠淳さんが、こうした不安を解消し、働く楽しみを見いだすための具体的な方法を紹介します。

新型コロナウイルス感染防止対策のための行動制限が徐々に緩やかになり、経済活動も少しずつ自由になってきました。テレワークから解放される人も出て、筆者の周りでもこれからどうやって働いていくかという話題が増えてきました。

VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性、ブーカ)という言葉もありますが、将来を見据えることが難しい時代にどう対応していくかは重大なテーマです。キーワードとなるのは「学び」だと筆者は考えています。

リスキリングは「仕事が変わる人」だけのものではない 

学びに関して最近よく見る言葉に「リスキリング」があります。初めて目にしたときは「リス/キリング」と区切ってしまい、ずいぶん物騒な言葉だなあと感じたものですが、今ではかなり浸透してきました。

リスキリングは「学び直し」などと訳され、新しい仕事に就くなど業務内容の変化に伴って必要とされるスキルを習得することを指します。現在のところ、特にIT業界で必要性が叫ばれているように感じます。

このためIT以外の仕事をしている人は「自分には関係ない」と思っているケースも多いのですが、実はそういう人こそ意識していただきたい言葉です。リスキリングで身に付けるのがITスキルなら、現状ITスキルを持っていない人が対象となるからです。

リスキリングは、転職や異動によって仕事自体が変わる人のものだと思っている人もいますが、これも正しいとはいえません。同じ仕事でも、必要とされるスキルは急速に変わっています。同じ部署で働き続けるのにも、リスキリングが求められるケースがあります。