2021/12/16

先ほどお伝えした例のように、小遣いの使い方も考えるようになると、子どもは上手にお金を使うために必要な「計画性」という要素も学ぶことになります。小遣いといえば、「毎月いくら」といった定額制の渡し方もあれば、報酬制のご家庭もあるようです。私は子どもがやりくりや計画的に使うことを覚えるためには、定額制の方が好ましいと思っています。

最近は1万円、2万円などの高額を「小遣い」として渡し、1年間それでやりくりさせる「年俸制」という渡し方もあるとか。我が家で良いと思って実践しているのは、月々の小遣いとそれを補うお年玉の活用、いわば「定額制+年俸制」ということになります。ここに家族マネー会議をプラスすると、子どもはお金の使い方について本当によく考えるようになります。

何度でもおすすめしたい家族マネー会議

いくら親がお年玉の使い道を示したとしても、子どもはそれだけで、お年玉の使い方の意味まで考えるようになるわけではありません。ここに親子でお金の話をする場となる「家族マネー会議」での学びが生きてくるのです。

既に何度かご紹介していますが、これは毎月1回、給料日の後などに家族全員で開く会議です。家計のお金について収入と支出(金額だけではなく、何にどう使ったか)、貯金などを報告し、「貯金が増えたらどうするか」などを話し合っています。「会議」と名付けつつ、実際は雑談も多く、お金以外のことも含めた親子のコミュニケーションツールともなっています。

家計のお金を皆で考えるので基本は親が報告します。小さい子は聞いているだけになりますが、小学校中学年などある程度大きい子になると「これはムダ使いだったんじゃない?」と突っ込んでくることも。その場合は、なぜそう思うか理由も話してもらい、みんなの意見を吸い上げながら我が家のお金について一緒に考えていきます。

会議と名付けていますが、特に構える必要はありません。大事なのは月1回など定期的に場を持つこと。そして、会議までの1カ月のお金の動きを振り返り、これからの1カ月の予定を親子で共有してみてください。そうすれば、貯金をする意味、投資をする理由、欲しいものやそれを手に入れる方法などがある程度、自然に話に組み込まれてくるはずです。その積み重ねで少しずつですが、お金について子どもたちの「考える力」が養われていくようです。

親の役割、希望に向けた考え方や取り組みを教える

我が子への金銭教育というと、「金利とは」などお金に関する知識を教えるといった内容もあるでしょう。しかし私はやはり、お金の使い方や備え方を子どもたちに知ってもらうことが大切だと思っています。

特に一番大切にしたいのは、「親は魚を与えるのではなく『魚の捕り方を教える』」ということ。言い換えますと、子どもが成長し自立していくうえで、親が果たすべき役割は何かの資金の肩代わりなど「お金の面倒をみることではない」ということです。むしろ、子ども自身の希望をかなえられるように、「お金に対する考え方や必要な金額をためる際の取り組み方などを教えてあげること」が親の役割だと考えています。同時に、それこそが最良の金銭教育になると思うのです。

繰り返しになりますが、特に構える必要はありません。子どもがお金を手にするときは、その使い方について教える良いチャンスです。お年玉をきっかけに、ぜひ、お子さんと話し合ってみてください。

大事にしたいバランス、老後資金も準備を

最後に、金銭教育と並んで皆さんにどうしてもお伝えしたいことがあります。それは、ご自身の老後資金のこともお忘れなく、ということです。かわいいお子さんにかかるお金は仕方がないものもあります。ただ、そこばかり考えてしまうと、教育費と老後資金が綱引き状態になり、いつしか老後資金が負けて老後に準備不足で困った、といった状態になりかねません。そうしたご相談は実に多くみられます。

家計を考えるうえでもバランスは大事。老後に向けた準備を進めることも忘れずに、子どものお金について考えていただけたらと思います。

これまでご愛読いただき、ありがとうございました。皆様、どうぞ良い新年をお迎えください。

(おわり)

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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