学生の我が子が20歳に 国民年金保険料、お得な納付は子どものお金

2021/10/20
写真はイメージ(PIXTA)

まずは思い出話から。私は6人の子どもがいますが6年前、長女がまもなく20歳の誕生日を迎えようとしていた頃のことです。大学生の長女に、「年金手帳」と「年金保険料の納付書」が届きました。そこで初めて、我が子も年金保険料を支払わなくてはいけない年齢になったのだな、と子どもの成長を改めて実感させられたものです。

現在は20歳になると、おおむね2週間以内に「国民年金加入のお知らせ」などが届くことになっています。ご存じですか。国民年金保険料は2021年度で月額1万6610円。結構な金額です。我が家の場合、長女に年金手帳などが送られてきたのは折しも、大学の2年目の費用を支払った直後のことでした。

大学生など学生の子どもがいると、ただでさえ、家計には授業料などの費用負担が響きがち。そこに、保険料の納付も必要となると、国民年金は子ども自身に支払いを任せようか、それとも親が肩代わりして払うべきか、学生納付特例制度というのを利用してみようかなど、迷う親御さんも多いかと思います。

学生の子どもに国民年金の納付義務が生じたら、どうしたらいいか。私は支払いが可能であれば、収入がアルバイト代程度の学生も特例を使うのではなく、保険料をしっかり納付するのがよいと思っています。なぜなら、納付することでのメリットは意外に大きいからです。お金を出すのは、親でも子でもどちらでもよいと思います。

学生の特例を使うより保険料を納付することのメリット

改めて「学生納付特例制度」を確認してみましょう。これは申請により、在学中の国民年金保険料の納付が猶予される制度です。ここで気を付けるべきなのは「免除」ではなく、「猶予」であることです。

この点について、もう少し説明します。将来、年金を受け取るには、原則として保険料の納付済期間が10年以上必要です。学生納付特例で「猶予」となった期間は、この年金の受給資格期間には含まれます。ただし、「免除」ではないので、そのままでは将来受け取る年金額に反映されません。10年以内に納付(後から遡って納めることを「追納」といいます)をしなければ、年金受給額が減額されてしまいます。

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親が払うと税控除でメリットも