変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

日本のビジネス界では今、有力企業を退職したアルムナイ(卒業生、同窓生)が注目されている。最強の人材輩出元と呼ばれるのが外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーだ。ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の南場智子氏ら著名起業家を次々に送り出している。マッキンゼーの「卒業生」はなぜ強いのか。

「マッキンゼーには起業のテーマを見つけるために入社した」。金属加工仲介スタートアップ企業のキャディ(東京・台東)の最高経営責任者(CEO)の加藤勇志郎氏はこう明かす。同社は町工場の調達改革を支援する企業として急成長中だ。

加藤氏は「マッキンゼーには起業のテーマを見つけるために入社した」と話す

加藤氏は「マッキンゼーには起業のテーマを見つけるために入社した」と話す

加藤氏は開成高校(東京・荒川)から東京大学経済学部に入学。卒業後、2014年にマッキンゼーに入社し、最年少でマネージャーに昇格した。筆者が以前、南場氏にマッキンゼー時代の話を聞くと、「パートナーと言われる上司は神のような存在で、仕事は激務。逃げるような思いで、ハーバード・ビジネス・スクールに留学した」と語っていた。

しかし、加藤氏は「それは2~3世代ほど前の話。今はフラットな組織で年次は関係ない。正しいことを上司に言えば、必ず聞いてもらえた。東大の体育会の方が理不尽なタテ組織で、100倍つらかった」と笑う。

「2つ上のポジョションにいるつもりで、解決策を出しなさい」

マッキンゼーに在籍したのは3年程度だが、製造業から医療、商社、通信、消費関連など大半の業種の担当を経験し、経営戦略からマーケティング、生産・調達など様々な分野のコンサルを担った。上司からは「2つ上のポジョションにいるつもりで、顧客企業の課題を考え抜き、解決策を出しなさい」と指導された。

加藤氏は俯瞰(ふかん)的に業界や産業構造を研究すると同時に、徹底的に顧客に寄り添った。「お客さんよりお客に詳しくなる」をモットーに、担当企業に必ず席をもらい、社内の人の話を聞いて回ったという。「同じ社内でも意外と隣の部署のことは知らない社員が多い。人間関係も含め、その会社のことを一番よく知る人間になれば解は見えてくる」という。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック