転職エージェント「個人」を選べるサービスが登場

このような転職エージェント活用の不具合・不満の解消を図る新サービスが登場しました。21年11月にプレリリースされた「みんなのエージェント」。求職者と転職エージェント「個人」をマッチングする、口コミ評価型プラットフォームです。

このサイトを開くと、さまざまな転職エージェントの「個人」が、得意とする領域(業界・職種、CxO=最高~責任者級=案件に強いなど)、自己PR、可能なサポート内容を公開しています。また、そのエージェントのサポートを受けた転職検討者・転職実現者からの感想コメントも掲載されています。

転職を検討している人は、それらの情報をもとに、「この人に相談したい」と思ったエージェントを指名し、アプローチすることができるのです。グルメ口コミサイト「食べログ」でメニューや口コミ評価を見て食事をする店を決めるように、「誰に転職の相談をするか」を自分で選べるというわけです。

実は私自身も、このコンセプトに賛同し、「みんなのエージェント」にプロフィルを公開しています。なぜこのようなサービスの提供に乗り出したのか。「みんなのエージェント」の代表であり、戦略・組織・人材開発コンサルティング会社、エッグフォワード(東京・港)の代表も務める徳谷智史さんに話を聞きました。

半年以内に退職し、転職を繰り返す人が多数

――「みんなのエージェント」は、転職エージェントと求職者の関係性において、これまでの不具合を解消できるものだと感じています。徳谷さんは、どのような経緯でこの課題を意識したのですか?

私は企業変革や人材開発の支援を手がけています。組織コンサルティングを行う中で、中途入社したものの、ギャップを感じ、数カ月~半年ぐらいで辞めてしまう人がすごく多い現実を見てきたのです。

それは、受け入れ側の組織に問題があることもありますが、そもそも自身のキャリアや志向に合わない企業に転職してしまったケースが多い。なぜなら転職活動の段階で、自身のキャリアにじっくりと向き合っていないから。

転職エージェントを利用していても、自身にとって最適な選択をするためのサポートを受けられていない。つまり、中長期視点で一緒にキャリアを考えてくれるエージェントに出会えていないということです。

そのせいで、目先の条件や年収で転職先を決めてしまい、ミスマッチを起こしていると感じます。そういった状況を変えたいと思ったのが、このサービスを開発した最初のきっかけです。

転職エージェントの中には、志高く、真剣に求職者の人生に向き合っている人もいれば、残念ながら効率的に成功報酬を得ることを優先する人もいるのが事実です。

しかし、そうした実情はブラックボックス状態で、求職者がどちらのエージェントに当たるかは、運次第のところでもあります。

ですから、志が高いエージェントさんにスポットライトを当てたいとも考えました。

また、エージェントの皆さんは日々、転職サイトなどの登録者を閲覧して候補者を探し出し、アプローチする活動に多くの時間を割いています。そうした時間を削減し、本来のキャリアコンサルティング業務により集中して取り組めるようにしたいとも考えました。

――このサービスの立ち上げについて、転職エージェントの皆さんからはどのような反響がありましたか?

当初は、否定的な意見も多いのではないかと想像していました。何しろ、ユーザーの口コミが公開されるわけですから。

しかし、実際には、志が高い優秀なエージェントの皆さんには共感していただき、好意的な反応が多かったですね。「自分の思いやこだわり、強みとすることを広く発信していける」「支援したユーザーさんからの評価を見られることは励みになるし、身が引き締まる」と。

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