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答えと解説

正解(間違っている説明)は、(1)激しい筋トレをすると、尿酸値が下がりやすい です。実際には、激しい筋トレをすると、尿酸値が「上がりやすい」とされています。

大阪大学大学院で生活習慣病の研究をする特任准教授の野口緑さんによると、尿酸は、細胞の核の中にある核酸の主成分「プリン体」が分解されてできる「老廃物」です。古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程で、細胞の中に含まれるプリン体を材料にして作られます。

筋肉痛が起きるくらいの激しい筋トレをすると筋肉の細胞が壊れますが、その際も細胞の老廃物である尿酸の値が上がります。従って、尿酸値が気になる方は激しい筋トレのやりすぎには要注意です。

そして、皆さんご存じのように、プリン体は私たちが口にする食品にも含まれています。それを材料にして肝臓で尿酸が合成されます。ですから、プリン体の多い食品のとり過ぎにも注意しましょう。

プリン体は、レバーなどのモツ類、干物など、細胞がぎっしり詰まっている食品に多く含まれます。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」第3版では、高尿酸血症の人はプリン体の1日の摂取量を400mg程度に抑えるように推奨しています。

(「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」第3版より)

水分をしっかりとって尿酸を排出しよう

一般的に、血液中に尿酸は1200mgあり、これが過不足のない状態です。そこに、新たに肝臓で1日に700mg作られ、不要になったものが尿から500mg、便から200mgの合わせて70mg、毎日排せつされて均衡が保たれています。しかし、メタボなどの理由で尿酸の産生が活発になったり、食事由来のプリン体を多く摂取したり、さらには、発汗が多く、水分摂取が少ないなどの理由で尿量が減り、尿からの排せつ量が低下したりすると、血液中に余りが出てきます。これが高尿酸血症です。

尿酸値を上げないようにするには、何といっても『水分摂取』が重要です。なぜなら、水分をとらないと尿量が減り、尿酸を捨てられないからです。1日に1.5~2Lの水を飲むことを心がけ、尿をたくさん作って尿酸を出しましょう。

お酒を飲むときも必ず水を一緒に飲むことが大切です。「お酒を飲んでいると喉が潤うため水を飲みたくはならないものですが、アルコールの利尿作用で、飲んだ量以上の水分が出ていくので脱水になります。それを予防するために水を飲む必要がある」(野口さん)のです。

お酒といえば、尿酸値を気にしてプリン体の多いビールを避け、プリン体ゼロの焼酎やハイボールを飲むようにしている人が多いようです。確かにビールにはプリン体が多い一方、ウイスキーや焼酎のような蒸留酒には含まれていません。でも実は、「ビールに含まれているプリン体は、量だけで見れば大したことはありません。それよりもアルコールそのものに尿酸値を上げる作用があります。アルコールが分解される過程で尿酸の合成が促進され、さらにアルコールの利尿作用で尿酸が排せつされにくくなります。プリン体ゼロのビールでも、たくさん飲めば確実に尿酸値は上がります」と野口さん。

写真はイメージ=PIXTA

尿酸値を気にするなら、飲むお酒の種類よりも、アルコールの量や、干物やモツなどアテの食べ物に含まれているプリン体に注意すべきでしょう。細胞をたくさん摂取すると、プリン体を摂取してしまうことになります。水分が抜けた状態である干物は、少量とるだけでも細胞を多くとることになるため、特に注意が必要です。

厚生労働省の「健康日本21」では純アルコールで1日平均20g程度(ビールなら500mL、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度)を「節度ある適度な飲酒」としています。尿酸値を上げないためにはこの量を守ることが大切です。

もう一つ、アルコールに加えてとり過ぎを避けたいのはフルクトース(果糖)です。果糖はもともとフルーツに含まれている糖分で、これにブドウ糖が結合すると砂糖(ショ糖)になります。清涼飲料水に含まれている果糖ブドウ糖液糖は、果糖とブドウ糖の混合液です。果糖は、尿酸代謝を促進するため、多くとると尿酸が増えてしまうのです。果汁100%のジュースやスイーツにもたくさん入っているので気をつけましょう。

この記事は、「痛風は氷山の一角『高尿酸血症』の本当の怖さ」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/20/120400009/091300009/(伊藤和弘=ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2022年5月23日付記事を再構成]

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