サケ缶を使った「サケ缶ちゃんちゃん焼き」

最後に、北海道の缶詰郷土料理「サケ缶ちゃんちゃん焼き」を紹介したい。本来の作り方は、生サケの切り身にキャベツ、ニンジン、タマネギなどを合わせ、バターとみそを加えて蒸し焼きにするが、生サケを缶詰で代用するバージョンも存在する。それが、いかにも北海道らしく面白いのだ。

生サケの代替品としてサケ缶が活躍

サケ缶は、年間を通して売れる定番缶詰のひとつである。ところが北海道では、9月〜10月ごろに人気が集中し、他の月の1.5倍以上もサケ缶が売れるという。実はこの時期は北海道で新タマネギが出回る時期にあたる。柔らかくみずみずしいその味を、ちゃんちゃん焼きで味わいたいが、生サケが入手できない時だってある。そんな時に、サケ缶が代替品となるわけだ。

缶詰郷土料理は他にもたくさんある。京都府の「サバのばら寿司」は絶品だし、長野県の「サバタケ汁」も滋味深い。さらには日本を飛び出し、海外の缶詰郷土料理もぜひいつか紹介するつもりなので、ご期待あれ!

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。

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