サバ水煮缶を使った「ひっぱりうどん」

2018年には空前のサバ缶ブームが起こったが、それよりずっと以前から存在するのが山形県の「ひっぱりうどん」だ。簡単に言えばうどんのつけ麺料理で、つけ汁にサバ水煮缶と納豆を入れるのが伝統になっている。

納豆好きにはおすすめ

茹でたうどんを鍋ごと卓上に置き、取り分け用の器に納豆、しょうゆ(あるいはめんつゆ)、卵黄、薬味などと一緒にサバ水煮缶を入れる。サバの身を崩しながら食べると、つけ汁にサバのうまみが溶け込み、味に深みが出てくる。納豆のネバネバのおかげで喉ごしも良く、味がシンプルなので食べ飽きない。

うどんをそうめんに変えれば、暑い夏場にも食べられるから、納豆好きの方には是非オススメしたい。ちなみに、ひっぱりうどんという名の由来は、鍋から器へ「うどんを引っぱりこむから」と言われている。

ツナ油漬けを使った「ツナごはん」

我が国でのツナ缶のルーツは静岡県で、今でも日本製ツナ缶の9割以上が同県で造られている。伊藤食品、いなば食品、はごろもフーズなど、ツナ缶で知られるメーカーの工場もほとんど同県内にある。

そんな土地柄からか、静岡県民はツナ缶に対してのこだわりが強い。各家庭でひいきにしているブランドがあり、お気に入りのツナ缶は贈答品に使うほどだ。

ツナ缶を使った料理も豊富で、ピーマン肉詰めの肉をツナに替えたり、炒飯やカレー、パスタの具にしたり、みそ汁に入れたりと様々。中でも分かりやすいのが「ツナごはん」である。温かい白ごはんにツナを乗せ、しょうゆをかけるだけというシンプルなものだが、食べ方にはこだわりがある。ツナは油漬けタイプを使い、ごはんに乗せる時にはツナだけでなく、缶の油も垂らすのだ。あの油にはツナのうまみが含まれていることを、静岡県民は熟知しているのだ。ちなみに同県出身の落語家・春風亭昇太さんは、ツナごはんを食べる際はかつお節を加えて「ちょっとゴージャスにする」そうだ。

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生サケの代替品としてサケ缶が活躍