緊急避妊薬の薬局販売が認められない背景には、性感染症などへの懸念がある。しかし世界保健機関(WHO)は緊急避妊薬を必須医薬品に指定し、入手しやすくなっても無防備な性行為は増えないとの研究結果もある。各国で30年以上にわたって広く使用・研究され、安全性も証明済みだ。

若者、女性に限らず、性行為を行う誰もが望まない妊娠を防ぐあらゆる手段を持つべきである。緊急避妊薬の薬局販売も含め、効果的な避妊法へのアクセス改善が急務だ。リスクのみに注目するのではなく、海外の状況や科学的根拠を参考に議論を進めてほしい。

児玉治美
アジア開発銀行(ADB)副官房長。国際基督教大学修士課程修了。国際協力NGOジョイセフにて東京本部やバハマに勤務した後、2001年から国連人口基金のニューヨーク本部に勤務。08年からADBマニラ本部に勤務。19年から21年までADB駐日代表を務めた後、21年10月から現職。途上国の子どもを支援するプラン・インターナショナル・ジャパン評議員。

[日本経済新聞朝刊2022年10月3日付]