2021/11/21

足まわりの違いにも注目

ただし、カローラ クロスのFWDと4WDでは性格が異なる。試乗したグレードを含めて、FWD車のリアサスペンションは、車軸式のトーションビーム式だ。それがハイブリッドに設定された後輪をモーターで駆動する4WD「E-Four」では、リアサスペンションは独立式のダブルウイッシュボーン式になる。ダブルウイッシュボーンはトーションビームに比べると、重量が重く荷室の確保でも不利になり、コストも高まるが、走行安定性と乗り心地は向上させやすい。

そのためにハイブリッドの4WDでは、後輪の接地性が高く、路上の細かなデコボコも伝えにくい。FWD車と4WD車の価格差は、リアサスペンションの違いまで含めて20万9000円だから、4WD車が割安という見方も成り立つ。

タイヤの違いも走りに影響を与えている。試乗したZが装着するのは18インチ(225/50R18)だが、中級の「S」やベーシックな「G」は17インチ(215/60R17)だ。17インチは操舵した時の反応が少し穏やかで、グリップ性能も若干下がるが、乗り心地は柔軟になる。

Sは中級グレードだから、運転席の電動調節機能やリアゲートの電動開閉機能は装着されないが、乗り心地は上級のZよりもむしろ快適だ。特に後輪が独立懸架になるハイブリッドのE-Fourで、17インチタイヤのSを選ぶと、心地よい走りが得られる(価格は295万9000円)。ノーマルエンジンとハイブリッド、FWDと4WD(ハイブリッド)、SとZを乗り比べて購入する方法もあるだろう。

なおカローラ クロスでは、納期に注意したい。2021年10月上旬に契約した場合、ZとGは2022年の1月~2月ごろより後に納車され、Sは4月以降になる。初期受注の多いZは早期に生産を開始するが、Sはその後になるからだ。しかもSは、発売後6カ月間はKINTO(トヨタ車を定額制で使えるサービス)専用車だから、個人向けの納期はさらに延びる。

トヨタの販売店によれば「今は半導体の不足に加えて、アジアから輸入するワイヤハーネスなども滞り、カローラ クロスに限らず納期が全般的に長くなっている」という。新車が納車される前に、下取りに出すクルマの車検が到来することも考えられるため、乗り換えのタイミングには十分に注意したい。購入計画はなるべく早めに立てるといいだろう。

(文=渡辺陽一郎/写真=田村 弥/編集=関 顕也)

「カローラ クロス」は駆動方式によりリアサスペンションの形式が異なる。FWD車はトーションビーム式(写真)、4WD車はダブルウイッシュボーン式となる。
スマートフォンの非接触充電トレーは「Z」グレードのみにオプション設定されている、価格は1万3200円。
グローバルカーの「カローラ クロス」だが、写真の「パノラマルーフ」(11万円のオプション)は国内仕様車だけに設定される。
「Z」グレード専用の18インチアルミホイール。これ以外のグレードには17インチのものが装着される。
運転支援システム「Toyota Safety Sense」が全車に備わる。「アクア」や「ランドクルーザー」の新型とは異なり、交差点での対向直進車の検知等には対応していないものの、自転車(昼間)や歩行者(昼夜)も検知可能なプリクラッシュセーフティーや、オートマチックハイビーム、ロードサインアシストなどが含まれる。
■テスト車のデータ
トヨタ・カローラ クロスZ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4490×1825×1620mm
ホイールベース:2640mm
車重:1370kg
駆動方式:FF
エンジン:1.8リッター直4 DOHC 16バルブ
トランスミッション:CVT
最高出力:140PS(103kW)/6200rpm
最大トルク:170N・m(17.3kgf・m)/3900rpm
タイヤ:(前)225/50R18 95V/(後)225/50R18 95V(ミシュラン・プライマシー4)
燃費:14.4km/リッター(WLTCモード)
価格:264万円/テスト車=299万9150円
オプション装備:イルミネーテッドエントリーシステム<フロントカップホルダーランプ、フロントドアトリムショルダーランプ、フロントコンソールトレーランプ>(11万円)/ディスプレイオーディオ(2万8600円)/ブラインドスポットモニター+パーキングサポートブレーキ(4万4000円)/パノラミックビューモニター(2万7500円)/おくだけ充電(1万3200円)/パノラマルーフ(11万円) ※以下、販売店オプション ETC2.0ユニット ナビキット連動タイプ(3万3000円)/カメラ別体型ドライブレコーダー<スマートフォン連携タイプ>(6万3250円)/フロアマット<ラグジュアリータイプ>(2万8600円)

テスト車の年式:2021年型
テスト開始時の走行距離:806km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4)/高速道路(6)/山岳路(0)
テスト距離:101.2km
使用燃料:9.6リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:10.5km/リッター(満タン法)/9.7km/リッター(車載燃費計計測値)
オーディオ機能とスマートフォン連携機能を持つ「ディスプレイオーディオ」は全車に標準装備。7インチサイズが基本で、写真の9インチサイズは「Z」「S」グレード限定のオプション扱いとなる。
前席のシート間には小物入れやカップホルダーが並ぶ。ドリンクホルダーは、ドアパネル側にも備わる。
「Z」グレードには、後席用のエアコン吹き出し口と充電用USB端子が用意される。
上級グレードのドアウィンドウフレームモールディングはクロームメッキでドレスアップされる。エントリーグレード「G」はブラック仕上げとなる。

[webCG 2021年10月5日付の記事を再構成]