若手にカバン持ち制度

――ポジティブですね。

「僕はメチャクチャ前向き。日本経済についてもポジティブですよ。生産性が低く、デジタル化が遅れて、正社員の転職率が2・3%と働き方が硬直的なのに、世界3位の経済大国なんですから。伸びしろしかない。打つべき手がありすぎてワクワクします」

「リーダーはこうしたポジティブなことを言い続けることも大事。前向きにこれをやるぞ、と口に出して、その約束を守る。僕はそうしないと実行しない性格なので。絶対に有言実行のほうがいい」

「カバン持ち制度」は立候補制。当時の新入社員の提案で2017年に始めた(東京都渋谷区)

――若手社員に自身の思いが伝わる機会も設けました。

「僕の講演や取材の際、新卒1~3年社員を同行する『カバン持ち制度』を17年末に始めました。コロナ禍でいったん休止しましたが最近再開しました。トップの視座や対話する姿勢を確認する機会にしてほしい」

「これからは社員が会社を選ぶ時代になる。環境は大事です。急成長企業で働くメリットは様々なタイプや価値観のリーダーの下で働けること。自分より強い人がいる会社で働くと自分も強くなる。合わない上司がいたら、その上司をプロデュースして良さを引き出せばいい。逆に、部下にプロデュースしてもらえるような上司は成長するでしょう」

(名出晃)

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趣味の旅行60カ国訪問

海外はしばしご無沙汰だが、趣味は旅行だ。今まで訪れた国は60カ国。奥さんとも30カ国には行った。新婚旅行は南極。「妻が南の姓になるから、南を極めようということで」。コロナ禍では近場の面白さを知った。最近では寂れた夏の苗場が印象的だったという。

「自分のルーチンを崩したい」から旅に出る。普段の自分と旅先の自分とのギャップを感じ、生活のリズムをあえて崩すことで気づくことがある。「その気づく能力を鈍化させたくないんです」

みなみ・そういちろう 1976年大阪府出身。6歳から13歳までカナダで生活した。99年米タフツ大卒、モルガン・スタンレー証券東京支店入社。2004年楽天野球団入社。09年ビズリーチを創業、20年に持ち株会社ビジョナルの社長に就任。
■リーダーを目指すあなたへ
お金を払ってでもいいから、できるだけ早くマネジャーを経験すべき。上と下の板挟みになりながら人格形成する。トップとは違う視野を求められ、悩むし迷う。ビジネスパーソンとしての未来を占う時間になるはず。

[日本経済新聞夕刊 2021年12月23日付]

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