権限移譲ではなく「助けてもらう」

――ただ、自分をさらけ出しても、欲しい人材が共感してくれるとは限らない。

「我が社の経営人材には、5年とか8年とか追い続けて入社してもらった人が数多くいます。一緒に仕事をしたいと思った人は永遠に追い続けます。断られるのは当たり前。でも逃がしちゃいけない」

――執念深いですね。

「経営チームづくりは経営者の最大の仕事ですから。事業づくりは仲間づくり。採用は努力です。事業のトップの採用は経営トップの仕事。我が社には東証マザーズ上場企業の社長が務まる人が10人ぐらいいる。CTO(最高技術責任者)は5人ぐらい。僕は今、21世紀の急成長企業のマネジメントチームを作り上げたと自信を持って言えます」

――そういう人材の情報はどうやって得ていますか。

「常に人と会い続けること。数をこなす。今も毎週、何人もの人に会っています。全部こちらから直接、アプローチします。そもそもビズリーチは優秀な人をみつけるためにつくったサービスですから、僕も活用しています」

――創業5年後の14年にカンパニー制に移行した時、祖業のビズリーチ事業から中核メンバーの南さんと竹内さん、永田さんが離れました。

「僕ら3人は新事業を担当するインキュベーションカンパニーに移り、12年に入社した多田洋祐(現ビズリーチ社長)にビズリーチ事業を全面的に任せました。僕は新事業の開発に集中したかった」

――多田さんにはビズリーチの営業を立て直した実績がありますが、それでも大胆な権限委譲に見えました。

「これに限らず僕には『権限委譲』という意識はあまりないんです。ある事業を助けてほしいから最適な人を採用して、仲間になってもらうだけだから。ようやく援軍が来た! という感覚です」

「僕は自分ができることとできないことを猛烈に認識しています。様々な業界で多くの素晴らしい方々にお会いしたからよくわかるんです。だから優秀な人と一緒にチームを作って働きたいという熱い願いがある。これは謙虚さとかではなく、僕の競争優位性です」

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若手にカバン持ち制度