青山商事「TSCスクエア」 ネット融合、服選び多彩

2021/12/5
デジタル活用とサイズを絞り込むことで店内在庫を減らした(東京都新宿区)

紳士服大手の青山商事は東京・新宿の若年層向けブランド「ザ・スーツカンパニー(TSC)」の旗艦店を新装開業した。TSCに加え女性向けやオーダー専用など計4ブランドを扱い、全社横断で顧客に商品を提案する新業態だ。店頭にないサイズや商品をその場でネット注文できるようにしたり、オーダーサービスの拠点としても使ったりすることで、少ない店頭在庫でも満足度の高い買い物ができる新たな店舗像を探っていく。




ザ・スーツカンパニー合わせて4ブランドが勢ぞろい

店舗名は「TSCスクエア」で10月に開いた。新宿駅と新宿三丁目駅直結のビル地下2階にある。TSCに加え、女性向けの「ホワイト ザ・スーツカンパニー」やオーダー専門ブランドの「ユニバーサルランゲージメジャーズ」、40代前後を顧客層に据える「ユニバーサルランゲージ」の計4つを1つの店舗にまとめた。

「仕事着が自由化するなか、ジャケットとパンツを違うブランドの商品で合わせるなど総合提案ができる」。新店舗の狙いについて青山商事の河野克彦執行役員はこう語り、客単価の上昇をもくろむ。TSCの主要顧客層は20~30代のため、ユニバーサルランゲージなどの知名度向上も図る。

売り場面積は約460平方メートルと、移転前のTSCの旗艦店に比べ2分の1以下となった。店舗で取り扱える商品の数が限られるなか同社が導入したのが、店舗とネットを融合したシステム「デジタル・ラボ」だ。

一般的にスーツは1つのデザインで約30サイズを展開している。都心部の店舗ではそろえられるサイズに限界があり、気に入ったデザインでも購入を見送る来店客がいた。新店舗では多くのデザインを扱う一方、それぞれ異なるサイズを置いている。このため、購入したいデザインを決めた後、他のスーツで試着してサイズ感を確認できる。

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店舗はショールーム、在庫を持たないモデル店