社員が喜ぶ再生が理想

――今までリーダーとして最も苦しかったこと、うれしかったことは何でしょうか。

「企業再生を巡る交渉は苦しいことばかり。あらゆる選択肢を想定し、読み切っておかないといけません。でも最後の瞬間まで何が起きるか分からないので緊張します」

「経営支援することになるスカイマークが2015年に民事再生法の適用を申請したときは4日連続で徹夜しました。『再生は可能』と結論が出たのが申請の2日前。インテグラルは早朝も深夜もパートナー5人(現在8人)の投資委員会で意思決定できるので機動力が生かせました」

「スカイマークは重要な社会インフラです。業績悪化の主因は超大型機・中型機の導入だと分かっていたので民事再生で破綻を回避できた意味は大きい。リストラや給与カットはしない基本方針で再建に臨むことができました。とにかく社員に喜んでもらえる企業再生が一番。お金だけでなく『良い企業を残す』ことにやりがいを感じます」

――今後の人生の目標は。

「利益一辺倒の短期的な視点では良い企業は育ちません。出口戦略を急がず、ファンド資金や超長期の自己資金を投入する『ハイブリッド投資』で経営陣と腰を据えて付き合うのが我々の流儀。日本に経済インフラとして投資ファンドが定着することは社会の健全な発展に必ず役立つでしょう。そのために自分のリーダーシップをいかんなく発揮できればと考えています」

(編集委員 小林明)

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サッカーW杯、毎回観戦

横浜翠嵐高校ではサッカー部。悔しかったのはセンターバックを任された高2の県大会準々決勝。終了直前まで1点差で勝っていたが、センタリングで競り負けて同点。延長戦で逆転された。「試合の潮目が変わる怖さを思い知った」

今ではW杯の熱烈サポーター。これまで本大会は毎回現地で観戦しているが、2018年のロシア大会は計2週間強の休暇届を出して応援に駆けつけた。いつか日本代表が世界制覇する日を夢見るだけでも「仕事のストレスが吹き飛ぶ」。

やまもと・れいじろう 1960年大阪府生まれ。一橋大経済卒、84年三井銀行(現三井住友銀行)入行。91年社費留学により米ペンシルベニア大学のウォートン校で経営学修士(MBA)、ローダー研究所で国際関係論修士(MA)取得。
ユニゾン・キャピタル、GCAなどを経て、2006年インテグラル共同設立、代表取締役パートナー就任(07年稼働)。
■リーダーを目指すあなたへ
誰にも負けない得意分野をコアとして鍛えること。留学も視野を広げるために有効です。あとは強い気持ちでできるだけ多くの場数を踏み、心や状況を的確に読み取れる感性を磨けば、どんな組織も統率できるでしょう。

[日本経済新聞夕刊 2022年1月13日付]

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