新たな化粧品開発に力

――丹頂チックに始まり、ヘアワックスやボディーペーパーなど独自性の強い商品を世の中に送り出してきました。今後はどのような方向に向かいますか。

「新たな考え方に基づいた機能性化粧品の開発です。大阪大学との共同研究で汗腺のもととなる幹細胞を発見し、3次元で目視できるモデルも確立しました。汗が出る仕組みが分かれば発汗を制御できます。従来の制汗剤は汗腺に蓋をしていましたが、汗腺そのものを眠らせてしまうという新コンセプトの制汗剤の提案につながればと期待しています。汗を抑えれば体臭対策ができます。逆に発汗を促して体温を下げることができれば、熱中症対策になります」

「フランスには世界最大級の化粧品産業の集積地である『コスメティックバレー』があります。米シリコンバレーの化粧品版で、毎年、研究成果を競うコンテストを開催しています。汗腺を眠らせる当社の研究は2019年に最優秀賞を受賞しました」

「スキンサイエンス(皮膚科学)の分野では欧州連合(EU)の動向が大きく影響します。EUが定めたルールが事実上のグローバルスタンダードになることが多いからです。海外に雄飛したマンダム社員がアンテナを張り巡らせてこうした最新情報をキャッチし、開発したファーストワン、オンリーワン、ナンバーワンの製品で一人でも多くの生活者のお役に立てる存在になれるよう挑戦を続けていきます」

(編集委員 竹田忍)

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手釣りが長年の楽しみ

凝り性で多趣味だ。バンドを組み、ピアノやギターの演奏を楽しんできた。ボウリング場へ繰り出すと、社員と朝まで盛り上がることも多かった。一時期、手首を痛め、現在はいずれの趣味からも遠のいている。

長年、決まった船頭さんに頼んで釣り船を仕立て、手釣りを楽しんでいる。「水平線のかなたを見つめながら考え事をしているとパッとひらめく」とか。「船頭さんが80歳を過ぎ、そろそろ引退しそうなのが心配」と話す。

にしむら・もとのぶ 1951年大阪府出身。75年高砂香料工業入社。77年マンダム入社、95年社長、2021年から現職。
■リーダーを目指すあなたへ
 「できない」という言葉を捨て、ポジティブに発想し「できる」を前提に、頭だけでなく五感と手足をすべて使って「どうやればできるか」を考えるのです。自分がありたいと望む未来は挑戦してこそ得られます。

[日本経済新聞夕刊 2021年11月11日付]

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