「少し前までアウトドア用品は便利で新しいものが求められていたが、最近はあえて火種を自ら作って着火したいというニーズが強い」(沖本さん)といい、店内にはアナログだが機能的な商品が並ぶ。
コロナ禍や芸人のヒロシさんが一人キャンプの動画を配信するなど、客層にも変化があった。以前は野営など本格的なアウトドアの玄人の中年男性が多かったが、家族連れや女性などの初心者の来店も目立つ。
防災用品として商品を購入する来店客も
日本オートキャンプ協会(東京・新宿)によると、1年間に1回以上キャンプをしたオートキャンプ参加人口(推定値)は13~19年まで右肩上がりだったが、20年は外出制限などの影響で前年比3割減の610万人に減少。一方で「おうちキャンプ」が注目を集めるなどアウトドア用品の活用の場面は広がっている。
UPIにもアウトドアには興味がないが、防災用品としてケトルや浄水器を購入する来店客もいる。直営店では11年の東日本大震災を機に、災害時にアウトドア用品の活用法を紹介するなど防災や減災の観点も売り場作りやワークショップを通じ強化している。沖本さんは「楽しみながら知識を身につけ、いざという時の生きるすべにしてほしい」と話す。
(渡辺絵理)
[日経MJ 2022年5月11日付]
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