日経プラスワン

もちろん生活改善は欠かせない。年齢を重ねると症状が軽くなる傾向はあるが、薬を減らすプロアクティブ療法を続けるためにも規則正しい生活が求められる。洗いざらしの清潔な肌着を毎日身に着け、十分な睡眠や室内の清掃、湿度の管理を心がけたい。

写真はイメージ=PIXTA

しかしなかなか治療の効果がみえないケースはある。そうした患者の治療に新薬が使われる例が出てきている。佐伯教授は「新薬をうまく使うことでステロイド外用薬の量を少なくし、患者や家族の負担を軽減できる」と期待を寄せる。ステロイドに対して不安を持つ患者や家族が積極的に治療に取り組むきっかけにもなっているという。

新薬の作用で注目を集めているのが「かゆみ」のコントロールだ。かゆみ止めに使われる抗ヒスタミン薬がアトピー性皮膚炎では効きにくいケースがある。無意識のうちに患部をかいてしまうと、皮膚のバリア機能が低下。炎症やかゆみを悪化させるサイトカインが放出され、さらに症状が悪化しかねない。

この悪循環を止め、バリア機能を正常に戻すのが大切になる。佐藤院長は「抗体医薬やJAK阻害薬を実際に患者の治療に使ってみて、かゆみを抑える作用が強いと感じている」と説明する。

佐伯教授は「炎症にかかわる物質の働きは次々と解明されてきている。現在開発中の医薬品も多くあるので、希望を持って治療を続けてほしい」と訴える。

(ライター 荒川 直樹)

[NIKKEI プラス1 2022年3月5日付]

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