インスタで「おしゃれ感」UP シャンプーのボタニスト

日経MJ

「ボタニカルシャンプー」は植物由来の成分配合を全面的にアピールして発売した

誕生から7年が経ってもなお支持を得ているI-ne(アイエヌイー)のブランド「ボタニスト」。全ての製品に植物由来の成分を使っているのが特徴だ。環境保全を目的に植林活動やバイオマス素材のボトルの使用も始め、環境志向の消費者にも訴求する。ブランドの成功の秘訣は、SNS(交流サイト)を駆使したマーケティング力にある。




2015年に誕生したボタニストは「植物と共に生きる」がコンセプト。主力製品「ボタニカルシャンプー」(1540円)は、約30万種の植物から選んだ成分が配合され、混ぜる速度と温度管理にこだわって作られた。髪の指通りを良くするため、植物由来のたんぱく質も加えた。誕生以降、ブランド全体で累計1億4500万個以上の製品を売り上げている。

売り上げを伸ばしたボタニストも、ヘアケア市場になかなか踏み込めなかった。調査で化粧品市場の分野ではヘアケア市場規模が2番目に大きいと知り、13年ごろから参入を検討。だが新興のI-neは主力の大手メーカーに資金力と研究開発力で劣っていた。そこでマーケティング力で差別化しようと考えた。

シャンプーの販売価格 1000円以上に設定

ヘアケア市場を狙った背景には、10年代に販売されたシャンプーへの課題意識がある。当時人気の「ノンシリコンシャンプー」には利用者から「髪がきしむ」といった声が挙がっていた。一方、シリコンを使用したシャンプーに対する「人体への影響」を懸念する消費者もいた。そこでノンシリコンシャンプーが持つ課題とシリコンへの見方を変えて消費者に安心して使ってもらえるように「植物由来」といったワードを全面的に打ち出したシャンプーの発売を決めた。

販売価格を決める過程もいばらの道をたどった。当時は500円台のシャンプーが市場を席巻しており、特にドラッグストア業界ではシャンプーは「他店より安く」が念頭に置かれ、赤字は常態化していた。だが執行役員の藤岡礼記氏は実績を出すという約束のもと、販売価格を1000円以上に設定。市場価格の2倍以上に上げてリピート購入率を高め、小売店も利益を安定的に確保できるようにしたいと考えた。

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