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オーケストラは通常、営利を目的としない社団法人や財団法人として運営されることが多い。だがピアニストの反田恭平さん(27)が経営者として、また指揮者として率いる「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」は、株式会社形態のオーケストラだ。稼ぐことが求められるため、自ら先頭に立ち支援を勝ち取る。さらに成長させるため、個々の奏者の個性を磨いていくという。

――指揮者の役割をどう捉えていますか。

「経営面で言えば、スポンサーを持ってくる際に言葉で説得をする必要があります。オーケストラを食わせるため、一番の仕事だと思います。欧米では指揮者が楽団のポストに就く上で、重要な点として『どれだけスポンサーを持ってこられますか』と聞かれるそうです。もちろん、高いレベルで指揮が振れるというのは大前提です」

「日本のオーケストラや指揮者はある意味恵まれているのだと思います。NHK交響楽団や読売日本交響楽団など、バックアップがしっかりしている楽団が複数存在します。他にも大企業が付いている例がありますが、そもそも事務局にスポンサーが付いているのであって、指揮者がスポンサーを持ってくるというのはあまり考えられません。JNOでは、僕自身がスポンサーを見つけています」

――現在、世界的指揮者のキリル・ペトレンコさんらも指導した湯浅勇治先生に指揮を学んでいます。

「言葉は必要最低限、ここぞというときに発すべきだと指導を受けていて、私もそう考えます。ある旋律について1人の奏者が『他の指揮者はこうやっているぞ』と言ってくることがあります。こういうとき、指揮者としてオーケストラ全体と対話する必要があります。『僕はこうします』と一言で効果的に伝えなければなりません。ドイツ語圏で活動するために語学の勉強もしています。現地語のほうが相手も気持ち良いでしょう」

「湯浅先生の教えは『ハ長調ならこうだ』というように調性に明確なイメージを持つことなど、音楽家として当たり前だが忘れがちなことです。オーケストラとのコミュニケーションは、基本的には腕と体から発する音楽だけで伝えるべきだと思います」

ピアニスト 反田恭平氏

ピアニスト 反田恭平氏

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