ちなみに、「リンパとは、白い血液という意味。それは、お腹の中央にあるリンパ管『乳び槽』が最初に発見されたから。乳び槽のリンパ液は実は真っ白。小腸から吸収された栄養分のうち脂質は、この乳び槽を通って、静脈角まで上がり、血中に入るからです。末端のリンパは、脂質があまり含まれていないため、透明に近いのです」と大橋教授。

老廃物や余分な水分を回収する下水管「リンパ」

「リンパ液は、全身で作られています」と順天堂大学医学部の坂井建雄教授。血液は毛細血管を介して動脈と静脈がつながっている。細胞が、毛細血管(動脈)のすき間から染み出した血しょうから栄養分を吸収すると、細胞の老廃物のほか、水分が残る。「その大部分は、毛細血管(静脈)に回収されるが、回収されない液、出たっきりで戻ってこない“迷子の水分”や大きな分子量の老廃物をリンパが回収するのです」(坂井教授)。また、リンパは静脈には入らない細菌や異物も回収する。

そのリンパで大きな働きを担っているのが、「アルブミンというたんぱく質です。アルブミンは、スポンジのように余分な水分を吸収したり、いろいろなものをくっつける働きがあることが明らかになっています。栄養素をくっつけて血管から出て、逆に老廃物をくっつけてリンパに入るのです」と大橋教授はいう。

図2 リンパがほとんどの水分を回収していると思っている人がいるかもしれないが、大部分は静脈が回収する。しかし、静脈に入れなかった大きな分子量の老廃物や、余分な水分、細菌、異物をリンパが回収している。とはいえ、量は少なくない。「リンパは1日2~4L、胸管を経て静脈に戻っている」(大橋教授)
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リンパはまず弁のない毛細リンパ管に入り太いリンパ管