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山頂でフリマ 景色や交流満喫、もうけは二の次

市民の自己表現の場に

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NIKKEI STYLE

 標高1000メートルに満たない低山の山頂で開くフリーマーケットが人気だ。出店者は売り物をリュックに詰めて山を登るというルール。多くの物品を持ち込めないため、従来のフリマに比べてのんびりした雰囲気が特徴だ。販売によるもうけは二の次と考える出店者が多く、山頂からの景色や人との交流を楽しむ場になっている。

11月16日午前10時。神戸市内にある摩耶山ふもとのケーブルカー乗り場には大きなリュックを背負ったグループ客が列を作っていた。ケーブルカーとロープウエーを乗り継ぐこと10分。標高約700メートルの山頂に着くと、展望台の広場で各人がリュックを降ろし、いらなくなった服や本、手作りのアクセサリーなどを出していた。地面に敷いたシートに商品を並べれば「お店」の完成だ。

市民団体の摩耶山再生の会(神戸市)は、山頂のフリマ「摩耶山リュックサックマーケット」を冬季を除き毎月1回開催している。売るものをリュックに詰めて登山するのが決まり。車での乗り入れは原則禁止のため、本業の場としてフリマを利用する専門業者の出店が少ない。出店料が無料なほか、飲食物を扱わなければ事前登録も不要で、誰でも好きなときに出店・退去できる。子供服を売っていた主婦の鈴木律子さん(41)は「商売っ気が無いのがいい。お金もうけより、お客さんとのコミュニケーションが楽しい」と話す。

この日の出店者は120を超えた。古着やCDなどフリマの定番品を売る店や、自作のちょうネクタイ店など様々だ。暖かい季節にはタイ式マッサージ店やフラダンス教室など、物販以外の店も増えるという。市民の自己表現の場でもあり、森林保護サークル「そまのこ林業女子会@兵庫」はドングリから作ったコーヒーを販売。浅井美帆さん(24)は「フリマを通じて私たちの活動を知ってもらいたい」と話す。

訪れる人は中高年の登山客だけでなく、子ども連れやアウトドアファッションに身を包んだ女性グループの姿も目立った。初めて来たという会社員の大東麻紀さん(39)は「のんびりした雰囲気の中で人と交流するのは楽しい。何よりも山の上なのが気持ちがいい」と満足そうだ。展望台からは、赤く染まり始めた紅葉と神戸港周辺の海が一望できた。

リュックサックマーケットは2005年に六甲山のふもとで開催されたのが始まり。摩耶山では06年から催していたが、当初の出店数は10組程度にとどまり、認知度が低かった。転機が訪れたのは10年。神戸市が乗客減少を理由にケーブルカーとロープウエーの経営撤退を検討。地域住民の訴えで存続が決まり、ケーブルカーの利用促進策として、リュックサックマーケットが活用されるようになった。口コミで参加者が増え、最近は多い日には出店者が200組にのぼる。

 摩耶山再生の会の慈憲一事務局長は「全くお金がかかっていないにもかかわらず、1日1000人以上を集める力がある」と話す。今年からはリュックサックマーケットの兄弟イベントも実施。10月にカレーを中心に約30店が出店した「スパイスピクニック」、11月9日には音楽ライブの「アコースティックピクニック」を開いた。今後も山頂でワインを飲む「ワインキャンプ」などを計画している。

「山ガール」の流行などで近年若い登山客が増えている。新しい山の楽しみ方を提案するリュックサックマーケットはこうした若年層の志向に合い、山頂に集客できるイベントとして自治体などから注目を集めている。9月には高取山(神戸市)が新たに始めるなどリュックサックマーケットの輪は全国に広がるかもしれない。

フリーマーケットの楽しみ方が変わりつつある。不用品を売ってお金を得ることよりも、風光明媚(めいび)な場所で1日のんびり過ごすことを重視する人が増えた。専門誌「フリーマーケットガイド」の鈴木睦編集長は「デフレによる新品価格の低下に伴い、フリマの販売価格も下がった。出店者は以前のように売り上げに期待できなくなったことも一因」と指摘する。

開催場所も従来の都市部の公園やイベント会場から地方の観光地に広がっている。荒川商工会(埼玉県秩父市)は昨年春、ちちぶ花見の里フリーマーケットを始めた。毎月1回開催し、手作りの小物などを売る20~50店が出店する。近隣で栽培するそばが食べられるため、県外からの観光客が増えている。

静岡県伊東市の小室山は毎年春に山頂、秋にふもとでフリーマーケットを開いている。出店数は約10店と小規模だが、山頂から眺めるつつじ園の景色が人気という。

(阿曽村雄太)

[日経MJ2013年11月25日付]

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