脳もココロも元気になる「ノート習慣」

うつうつとして気分が晴れない、イライラが消えない─。そんな人は週1回のノート習慣で改善! 脳の専門家に、脳と心をスッキリさせる「書き方」を教えてもらいました。

文字を書くことで気持ちが整っていく

「『書く』ことで脳にいい影響を与え、心の整理もできるようになる」と言うのは、脳生理学者の有田秀穂さん。ノートに文字を書くという行為は、自分を客観視することにつながり、対処法を自分で見つける訓練にもなるそう。この“書き出す”という行為は医療の現場でも導入されている。

そこで、脳科学の研究でもその効果が認められている「書く」方法を、私たちの生活にも応用してみよう。どうも気持ちがスッキリしない、モヤモヤするという人は、自分の気持ちを言葉で書き出してみるといい。

「手を使って書くことは、パソコンやケータイで文字を打つことと大きな違いがあります。自分の気持ちを考えて書くことは、心のストレスを軽減する効果がある。そして、心を安定させる脳内物質を活性化させる助けになります」

できれば週に1回、自分の気分を書き出してみよう。漠然と感じていた自分の不快の原因や、楽しい気分を促すことなど、普段は意識していなかったことが浮き彫りになるはず。

「大人になると、○○してはダメなど、心には抑制が働くもの。せめて、ノートに書くときだけは素直になってみましょう。書きなぐってもいいでしょう。吐き出す場所を作るだけでも、ストレスがラクになるはずです」

~書くことで何が変わる?~

なぜモヤモヤ、イライラするのかという原因を考えて、言葉でノートに書き出してみよう。書き方は以下のテンプレートを参考に。書き出すことで、過去の自分を見直すことができ、失敗しないための方法を見つけられて、脳と心がスッキリする効果がある。

客観的な視点で自分を見られるようになる
 今の気分を正直に言葉にすることで自分の心に対して主観的な視点だけでなく、客観的な視点が加わる。また、普段は言語化していなかった気分を文字にして書き出すことで、ためこんだ感情の発散にもなる。

原因が明らかになりストレスが軽減する
 モヤモヤなどの原因が明らかにならないまま抱えていると、心にも脳にもストレスになる。そこで、原因になった出来事や、理由を考えて書き出そう。また、自分がそのときどう対処したかも、書いて明らかにしよう。

解決策や対策が浮かびスッキリする
 原因が明らかになり、自らを客観視できると、自分がどうすればいいのか、どう行動すればいいか、対策が立てられるようになる。その対策を考えられるようになるだけで安心でき、心と脳がスッキリする効果が。