リタイア後は、田舎暮らしや農業をしたい。そんな夢を持っているなら、まずは体験してみてはどうだろう。家族の理解を得るきっかけにもなるだろう。田舎暮らしが自分に向くか分かり、週末に農業体験ができる、とっておきの方法を紹介しよう。
【滞在型市民農園「クラインガルテン」】 年間40万~50万円で収穫の喜び
「クラインガルテン」と名の付いた滞在型市民農園が全国各地に広がっている。クラインガルテンとはドイツ語で、「小さな庭」という意味。本場のドイツでは都市のなかの緑を守るため、市民農園が各地に造られてきた。
日本では中山間地域で町おこしの一環として、市町村が主体となって滞在型市民農園を開設するケースが多い。基本は、「ラウベ」と呼ばれる宿泊施設に菜園が付いたもの。年間40万~50万円程度で利用できる。

例えば、「笠間クラインガルテン」は茨城県笠間市が2001年に開設。宿泊施設付きと日帰り型の市民農園を備える。宿泊施設付き市民農園は全50区画。1区画は約300平方メートルの土地に約37平方メートルのラウベと各100平方メートルの菜園・芝生がある。年間利用料は40万円で、最長5年間の利用が可能。
日帰り型市民農園は全50区画。1区画は約30平方メートル。年間利用料は1万円。このほか、農産物販売所やそば処(どころ)、クラブハウスなどがある。地元の人たちと交流するイベントも開かれる。