復帰後1カ月が勝負 「仕事ができない人」にならないために
【記事のポイントをまとめると】
1.子どもを理由にしない
2.職場では、プライベートの話は必要最低限に
3.周囲への感謝の気持ちを忘れない
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職場の評価は復帰1カ月で決まる!
ワーキングマザーは、復帰から1カ月で社内での評価が決まるとも言われます。育休から戻ってきたら、仕事が全然できない人になっていた……と思われるのは残念ですよね。一度失った信頼を取り戻すのは並大抵のことではありません。
周囲から「妊娠前と変わらないね。むしろ、それ以上の仕事ぶりだね」と思われるくらい仕事に集中して、成果を上げられるように努力したいものです。

とはいえ、職場復帰直後はなかなかペースがつかめず、あたふたすることもあるでしょう。職場復帰した初日、電話のかけ方や、社内の内線番号、パソコンのパスワードなどを忘れてしまって大変だった! という人も。周囲が忙しく仕事をしているなか、新人のように初歩的なことを何度も確認するのは避けたいもの。産休に入る前のメモなどを見返して、会社生活のシミュレーションをしておくのも忘れずに。
職場では子どもの話をせず、仕事モードに
職場復帰すると、「お子さん生まれてどう?」「子育てって大変でしょ。大丈夫?」などと、子どもについて聞かれることが増えます。職場に育児中の女性が多ければ、子どもの話題が自然に出ることも多いもの。「そうなのよ~。今日もね……」などと、話し込まないように気を付けましょう。
周囲には、子どもがいない人や子どもが欲しいのにできない人、子どもの話が好きでない人もいるはず。職場では頭を切り替えて、妊娠前と同じように、仕事モードでいきましょう。
子どもを理由にした話ばかりをしない
「すみません、子どもがいるから無理なんです」「子どもがいるので、早く帰ります」などと、様々なシーンで「子ども」を理由にすることは控えましょう。なぜなら、子どもを盾にした"言い訳"のように聞こえてしまうケースがあるからです。
職場には、仕事に集中していてプライベートの話を聞きたくない人や、中には親の介護をしながら、口には出さず両立をしている人もいるかもしれません。
「子どもが…」という理由を重ねていると、「子どものために休んで、仕事を押し付けられる」「子どもがいる人は気軽に休めていいなあ」などと、「子どもがいて働く」ことにマイナスのイメージが付いてしまうことがあります。
もちろん、休む理由を上司や仕事に関係する同僚などに伝えることは必要ですが、「子ども」が理由の話は、最低限にとどめましょう。
周りへの気遣いや感謝の気持ちを忘れない
妊娠中に引き続き、周囲の人には何かとお世話になります。ただ、それに慣れてしまわないように気を引き締め、いつも感謝の気持ちを持つようにしましょう。そして、感謝の気持ちを言葉に出して伝えることも忘れずに。「ありがとう」「大変助かりました」「○○さんが助けてくれたおかげで、無事○○ができました」と、直接言葉で伝えましょう。
また、子どものことで休みが続いたり、仕事のアウトプットが上手にできなかったりして、上司や先輩から厳しい指摘を受けることもあるかもしれません。「子どもがいるから、私には無理なんです」「じゃあ、どうしろっていうんですか」などと反発するのはNG!
指摘をきちんと受け止め、自分が工夫して改善できることはないか考えてみましょう。同じ働く母である先輩など、立場を理解してくれる人に相談してみると、解決策やアイデアをもらえるかもしれません。もし、心ない言葉があったとしてもムキになるのではなく、スマートに対応する姿勢が大切です。

人材育成コンサルタント/キャリアアドバイザー。株式会社キャリアン代表取締役。専門は人材育成・組織能力開発やマネジメント・キャリアに関するコンサルティング。メーカー入社後、1989年にキャリアに関する事業を中心とした人材育成子会社を立ち上げ常務、社長、会長。早期よりキャリアアドバイスを普及した経験を活かし、2013年に一人ひとりの生涯キャリアを支援するキャリアンを設立。神奈川県教育委員会委員。内閣府、文部科学省等の委員を歴任。
(ライター 西山美紀)
[日経DUAL2014年4月10日掲載記事を基に再構成]
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